その一方で、
「大谷の活躍を不安視するメジャー関係者もいます」
と明かすのは、米在住ジャーナリストである。
「165キロを出したことに『もう十分だ。肩や肘を壊さないでくれ』とビクビクしています」
大谷に関しては、これまで故障リスクが増す二刀流には否定的な意見が多く、「メジャーでは投手専任」との見解が主流だったが、今季は野手としての調査も進められている事実がある。しかし、今シーズンの結果を見て二刀流の是非が真剣に論議され、すでに野手としての評価をデータ化した球団まであるという。
メジャーでは「打撃のミート力、パワー、走塁とスピード、守備力、スローイング」の5項目で80点満点中60以上の評価を持つプレーヤーを「5ツールプレーヤー」と呼ぶが、大谷の場合は、ここに投手としての「5ツール」も加味され、
「ア・リーグのあるスカウトが『メジャー初の10ツールプレーヤーになる可能性がある』と断言しています」(メジャー関係者)
さるエージェントによれば、
「アメリカのメディアは、投手としての力量は、今季14勝のノア・シンダーガード(メッツ)のレベル、防御率と奪三振率は3度のサイ・ヤング賞を受賞したクレイトン・カーショー(ドジャース)、出塁率と長打率を合わせたOPS(打者評価の指標)は引退したメジャー屈指の大砲、デービッド・オルティス(レッドソックス)クラス、おまけに盗塁も8回試みて7回成功している、とまで表現しています」
ポスティング移籍の場合、日本ハムが設定する入札額をクリアすれば、自由交渉。マネー闘争と同時に、二刀流許可を条件に加えて交渉を有利に運ぼうとする球団が出てくるだろう。前出・米在住ジャーナリストが言う。
「来年オフには大谷の年俸は、球団の限界値である5億円を超えるでしょう。ある意味、渡りに船なのかもしれません」
もう一人のスター、広島の黒田博樹(41)は日本シリーズ直前の10月18日に引退を電撃発表し、野球マスコミを驚かせた。この日の昼、担当記者に「午後5時まで表に出すな」と釘を刺したうえで引退会見の連絡が入る。そして、練習前に黒田がナインに引退の意思を伝え、午後7時からの異例の引退会見となった。ドジャース時代に打球を受けて生死をさまよった際の首痛は慢性化し、CS登板3日前にはキャッチボールの途中で肩が上がらなくなり、登板回避も検討されたほど。すでに満身創痍の状態だったのだ。
「9月10日のリーグ優勝後、黒田は鈴木清明球団本部長と緒方孝市監督(47)、新井貴浩(39)の3人にだけ打ち明け、発表前日に正式に松田元オーナーに伝えました。来年1月15日に広島で新井と組んで少年野球教室のイベントをやることが決まっており、シーズン終了後にロサンゼルスの自宅に戻って熟考したうえで引退を発表するのではと思われていましたが‥‥」(球団関係者)