能年玲奈から改名した“のん”がヒロインの声を務めるアニメ映画「この世界の片隅に」が11月12日に公開され、週末の興行収入ランキングで10位に入った。ロングランを続ける「君の名は。」や話題作「デスノート」に及ばないのはともかく、杏の初主演映画「オケ老人!」にも負けるなど、ネットでは「これでのん終わった」という評判も少なくない。だが映画ライターはそんな批判を的外れだと指摘する。
「同作品は大手映画会社の配給ではなく、独立系の映画館を中心に全国63スクリーンのみの上映ながら、ベストテンに入ったのですからむしろ驚きです。直近の数字を『君の名は。』や『デスノート』と比べると、供給座席数は10対7対1と大差がついていますが、販売数では5対2対1と、その差は大きく縮まります。スクリーン単位で見れば『君の名は。』の2倍、『デスノート』の3倍以上も客が入っている計算で、大入り盛況と言っていいでしょう」
しかも同作品は「ぴあ映画初日満足度ランキング」にて堂々の1位に立っており、評判は相当いいようだ。このタイミングに合わせたのか、のんは女性誌のインタビューやマンガ誌のグラビアに相次いで登場。極めつけは、創作あーちすととして描いたオリジナルキャラクター「黄色いワンピースのワルイちゃん」のグッズが11月20日から原宿と銀座で先行発売され、先着100名がのんとの「ハイタッチ会」に参加できることも決定したことだ。そんなのんの動向を芸能ライターが推測する。
「彼女は今回の映画『この世界の片隅に』を最大限に活用しているようですね。舞台挨拶にも相次いで出席していますが、改名後には人前に出る仕事が東北地方に限られていたため、ファンの熱狂度は高いようです。同作品の人気が『君の名は。』のように爆発すれば、のんに対して静観を決め込んできたメディアも無視できなくなるはず。年末にかけてのんを見る機会が増えることになりそうです」
考えてみれば、能年玲奈の人気が爆発したのはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」がキッカケだった。そして今回、のん人気が「この世界の片隅に」で爆発するようなら、彼女は作品に恵まれる星の元に生まれたのかもしれない。
(白根麻子)