大ヒットアニメ映画「君の名は。」の劇中歌を担当したことで、一般的知名度が急増したRADWIMPS。その彼らが11月24日放送の音楽番組「SONGS」(NHK)に出演し、4曲を披露した。この選曲を巡って視聴者からは「いったい何様のつもり?」との批判が殺到しているというのだ。音楽ライターがその理由を耳打ちする。
「彼らは『君の名は。』の劇中歌を1曲も歌わず、前日に発売されたばかりの最新アルバムから4曲を演奏したのです。彼らが何を演ろうと自由に思えますが、今回の放送には『君の名は。』の劇中歌にちなんで『「前前前世」を生んだバンドの今』とのタイトルが付けられていましたから、すべての視聴者が同曲を期待していたはず。これでは視聴者に対する裏切りだと糾弾されるのもやむなしでしょう」
そんなRADWIMPSに対し、熱狂的なファンからは「これぞラッド」「ロックな姿勢だ」といった声もあがっている。だが過去のヒット曲を演るならともかく、最新アルバムの曲だけを披露するのはNHKの電波を宣伝に使ったも同然。これではロックどころかアルバムを売る気満々だが、今回選曲は彼らだけの責任ではないとの声もある。テレビ誌のライターが読み解く。
「目玉の少ない今年の紅白において、これまでテレビ出演を断ってきたRADWIMPSの出演は隠し玉のひとつ。それゆえNHKとしては『前前前世』を紅白にてテレビ初披露するという希少感を演出したいはずです。つまり今回の『SONGS』ではあえて同曲を封印させ、ファンの飢餓感を煽ったのではないでしょうか」
どうやらRADWIMPSにとってはアルバムの宣伝、そしてNHKにとっては紅白の番宣を行うことができ、両者にとって意味のある選曲だったのかもしれない。ただしそこには、「前前前世」を待ち望んでいるファンに対する思いは欠けていたようだ。
(金田麻有)