社会

アサヒ芸能「スクープ大事件史」Vol.3(3)イザナギ景気を恨む斜陽会社社員の嘆き節

2016_60th_i

 オリンピックの翌65年、証券不況から立ち直り、57カ月続いたイザナギ景気が始まった。68年暮れのボーナスはしめて“2兆円余”、史上空前の数字である。某社では部課長クラスで100万円、別の某社では勤続10年で40万円、もうひとつの某社では大卒5年30万円、といった威勢のいい話が飛び交っている。

 しかし、ボーナスどころか給料も遅配の会社もある。どこかの中小企業じゃない。一世を風靡した天下の大会社・日活である。

 10月25日の給料支払日に社員が受け取ったのは一律でたったの2万円。給料遅配である。経営危機に日活労組のボーナス闘争も盛り上がらず、要求3ヶ月プラス1万円が、2ヶ月のみで妥結してしまった。

 アサヒ芸能1968年12月15日号によると、次のような社員の嘆き節が続々出てきた。

〈「ことし結婚したばかりで、給料が遅配になったなんて、言えませんや。封を破って明細書を見せずに『友達に貸したから』と言って渡したんですわ」

「今年いっぱいで会社をやめるつもりです。女房を食わすのがやっとですからねえ。課長になっても課長手当は1万円ちょうどで、手取りは7万円あればいいほう。転職組はぼく1人じゃないはずですわ」〉

 なかには「11月からパートタイムで新宿のバーでホステスをはじめたわ」というような21歳(当時)の女子社員もいたが…。

 かつて社用族の栄光をになってきた大手映画会社は、松竹、大映も年末ボーナスの見通しは真っ暗とか。映画会社異常に悪いのが石炭産業で年末ボーナスはどの会社もゼロ回答といったひどさである。

 イザナギ景気の陰で、この年負債1000万円以上出して倒産、あるいは更生会社となったのは1~10月までに9279件、1ヶ月当たり1000件近くになるのだ。

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」
5
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」