松井氏が巨人と距離を置こうとする姿勢は本気だった。この年末年始、石川県能美市の実家に初めて帰省しなかったのだ。実父・昌雄氏は「年末年始は必ず実家で過ごす」ことを厳命しており、松井氏の決断はそれだけ真剣なのである。
ここ数年は年始の1月4日に決まって「松井秀喜旗争奪杯」で前年に優勝、準優勝を飾った少年野球チームメンバーを松井秀喜ベースボールミュージアム旧館に招待し、表彰していたにもかかわらず、今年は初めてそれも行わないほど徹底していた。
「この表彰式には毎年、各メディアが集まる。この年末年始の実家への帰省を見送った裏には、暗にメディアに対して“もう自分と巨人の関係については一切聞いてくれるな”というメッセージがあったと見ていい」(前出・球界関係者)
この松井氏の巨人離れに、球団はもちろん、読売新聞グループ本社側も大いに慌てている。人気回復の起爆剤になるであろう、監督候補とのパイプを失うわけにはいかないからだ。
「今年1月、昨年夏に系列会社から出向扱いで球団入りした女性職員を要職に就かせたのは、まさにその歯止め策の一環でしょう。彼女にはメジャーの現場を見てきた経験があり、松井、そして昨年に続いて宮崎キャンプ参加のオファーを出し2年連続で断られているカブス・上原浩治(41)とも仲がいいとされている。このタイミングでの彼女の要職登用からは、まさに『焦り』が感じられますよ」(球団OB)
さて、巨人の悩みは松井氏との関係だけではないから厄介だ。肝心の現場にも、チームの今後を不安視させる火種が潜んでいた。
昨年10勝を上げ飛躍した田口麗斗(21)が“テング”になりつつあるといい、周囲から「礼儀を知らない」との声が上がっている。
今年、各メディアの巨人担当記者が軒並み新任に交代し、何度か田口も名刺を差し出されて挨拶を受けているのだが、
「いらないっす。新任の名刺なんか価値ないでしょ」
などと暴言を吐いて断り続けているというのだ。
「もう総スカンですよ。新任とはいえ、記者は当然、新人でも田口より全員年上。中には30歳を超える中堅記者だっている。何様なのかと言いたい態度です。監督やコーチ、堤辰佳GM(51)だって名刺を出されれば受け取りますよ。しかもジャイアンツ球場での練習後も田口は、自分の車まで追いかけてくる記者を煙たそうにしながら運転席に座るとドアを閉め、窓を数センチだけ開けて質問にボソボソッと答えるだけ。今どき、ありえない対応で、これだけ敵を作っては問題を起こした時に袋叩きでしょう」(スポーツ紙ベテラン記者)