テリー 今のグラドルの現場って、どんな感じなの?
杉原 やっぱり厳しい状況になっていますよね。グループアイドルが次々とグラビアに進出してきて、しかも際どい姿やポージングもこなせちゃうので、グラビア専門の子が出られる機会がどんどん減ってきていますね。
テリー 確かにそうだよな。指原(莉乃)でもきわどいことをやっちゃってるからな。
杉原 だから、グラドルって、けっこう有名な子でもバイトをしていたりするんです。そうじゃないと食べていけないので。
テリー ということは、いずれ「グラドル」というジャンルがなくなっちゃうんじゃないかな?
杉原 と思います。だから、何か資格を持つとか、体以外の武器を身につけて自己プロデュースをしていくしかないんです。私なんかは、大したものじゃないですけど「株」がありますから、まだマシなんですが。
テリー 投資で何千万も稼いでいるんでしょう? 大したもんだよ。
杉原 いえいえ、11年やってそのぐらいですから。でも、そのおかげで雑誌に連載を持たせていただいたりしているので、そんなふうに何か別の生き残る道を探さないといけませんよね。
テリー そうだね、新しくて若い娘が出てきたら、お客さんはそっちに行っちゃうかもわかんないしね。
杉原 この映画の冒頭で、私は「いつまでも(自分が)かわいいと思うなよ」というセリフを後輩に言うんですけど、やっぱり「若い」「かわいい」だけで通用するのは最初だけなんです。私の年でバカみたいなことを言っていたら、もう許されませんし。
テリー でもさ、それってこの業界に入った時からわかっていることじゃない。
杉原 それが周りから「かわいいね、いい体してるね」って言われていると、その状態がずっと続くと勘違いしちゃうんですよ。特に若い頃は、10年後の体の衰えなんて、まず想像できないですし。
テリー でも杏ちゃん、もう34歳でしょう? よくやってるよな。50歳でも現役でサッカーやってるカズみたいなもんだよ。
杉原 でも、必死にしがみついてる感じですよ。かなり努力しないと無理です。
テリー 例えば、どういう努力をしてるの。
杉原 まずは食事制限ですね。栄養のバランスも考えながら、夜はあまり炭水化物を食べずに、なるべく糖質を減らすように努めています。あとジムに行って適度な運動もするし、30代になってからはエステにも行くようになりました。
テリー じゃあ、男を悩殺するセクシーポーズなんかも研究してる?
杉原 はい。体のシワが寄ったり脂肪がつくところを腕の角度でうまく隠したり、胸が大きく見える撮影ポイントとか、腕が細く見えるポーズとかを、お風呂上がりにひとり、鏡の前で研究するんです(笑)。
テリー それは全裸で?
杉原 もちろん、そうですよ(笑)。
テリー 俺、杏ちゃん家の鏡になりたいなァ(笑)。でも、聞いてみないとわからないもんだね。グラビアの子はみんな、「いつまでこの仕事ができるのか」っていう恐怖心と常に戦っているんだ。
杉原 他にも「DVDが何枚売れた」とか、あの子に抜かされたとか、そういうランキングにずっと追いかけられ続けますから。小さな世界ですけど、それがけっこうプレッシャーになります。ずっと何かしらの不安は続いていますね。