人命を預かる医師による女性に対して暴行を振るう凶悪犯罪が社会に衝撃を与えた事件は、まだ記憶に新しい。だが、表面化したのはほんのひと握り。量産される「勘違い医師」たちは日々、性行為を目当てに、鬼畜な「院外診療」に及んでいる。新たな被害女性が慟哭告発するその実態とは──。
船橋中央病院(千葉県船橋市)の研修医・上西崇被告(32)、東京慈恵医大附属病院(東京都港区)の皮膚科医・松岡芳春被告(31)、そして東邦大学医学部の学生・柁原龍佑容疑者(25)。これは2月16日に集団準強姦容疑で埼玉県警に逮捕された面々である。上西被告と松岡被告はともに、東邦大学医学部の出身。主犯格と目されているのは上西被告で、この事件以前にも準強姦と集団強姦で4度の逮捕歴がある「レイプ常習犯」だった。
逮捕のきっかけとなったのは昨年4月。上西被告が借りていた東京・大田区内のマンションで3人が共謀し、10代後半の女性に無理やり酒を飲ませて泥酔させ、コトに及んだ一件である。
東急線蒲田駅の出口から徒歩1分、居酒屋やレストラン、税理士事務所などが入る雑居ビルの5階に「ヤリ部屋」はある。3人はこの部屋を飲食店と偽り、女性をおびき寄せていた。5階のベランダには木製のパーテーションが立てられ、今も「悪夢のパーティ」が行われた余韻が残っている。
彼らの計画は周到で、悪質極まりない。3月3日に行われた上西被告の公判によれば、上西被告が「バーベキューパーティをしよう」と声をかけ、「ヤリ部屋」に複数の女性をおびき寄せていた。
「パーティ」現場では、女性たちに「罰ゲーム」と称して一気飲みを強要しながら、上西被告はウォッカの瓶に入れた水だけを飲み、シラフのまま。スマホのメッセージアプリを使って「次はこっちの子を酔わせる番だ」などと計画を進めていた。さらには女性が容易に逃げられないようドアノブに細工まで施す、身の毛もよだつ外道ぶりである。こうして夜な夜な、多くの女性がレイプ医たちの毒牙にかけられたのだ。
「真夜中にギャーギャー騒ぎ声が聞こえてくるので迷惑だった」
と話すのは、近隣住民である。
「昨年春の平日午前8時頃、雑居ビルに面した道路で若い女性が酔い潰れているのを見ました。今思えば、あの部屋から出てきた子かもしれない」
松岡被告と同じ病院に勤務する看護師女性は言う。
「強姦事件の犯人と一緒に働いているなんて、考えたこともなかったです。同僚からは『一見、爽やかでニコニコしているけれど、腹の中では何を考えているかわからない不気味な人だった』という話を聞いてはいましたが‥‥」
医師や医大生による蛮行が露呈したのは、この一件だけではない。昨年11月には、千葉大の医学生3人と彼らを指導する研修医が集団強姦致傷と準強制わいせつ容疑で逮捕された。居酒屋での飲み会で酔った女子学生をトイレに連れ込み、介抱する振りをしてかわるがわる暴行。それでも飽き足らず、医学生の1人の自宅に連れていき、早朝までレイプし続けたのだった。