38回目の優勝を目指す横綱・白鵬(32)は2日、右肩の違和感を明かした。東京・墨田区の部屋での稽古後に、
「27日から痛みはあった。関節か筋だと思う。残念だ」
と、悔しさをにじませた。
スポーツ紙記者が言う。
「白鵬は古傷の右足親指、右太腿の負傷で春場所を途中休場し、4月はモンゴルへ帰国して治療に専念していました」
かねてから抱えていた「脚の爆弾」の再発に加え、今回の新たな故障で崖っぷちに立たされた白鵬。だが、稽古総見では、春場所で敗れた正代(25)を圧倒、貴ノ岩(27)と遠藤(26)も寄せつけなかった。
「横綱として59場所目の白鵬は5場所優勝から遠ざかっているだけに、今場所優勝して存在感を示したいところですが、このところの相撲を見るかぎりでは、負け方が悪すぎます。以前は攻め急いで土俵際でかわされて取りこぼしていた。ところが、最近は今までの負け方とは違うんです。相撲が小さくなっている。これまでのような大きさを感じないんです。おしりも小さくなったし、しっかり鍛えていないことがわかります」(中澤氏)
五月場所では完全復活をアピールしたいところだが‥‥。
さて、総見において横綱・日馬富士(33)を相手に善戦したのが、関脇・高安(27)である。ファンから「大関になれないぞ」とゲキが飛ぶと、横綱の胸を借りて4勝6敗と、互角の力を見せつけた。総見では師匠の田子ノ浦親方の「怠慢」が浮き彫りにされたものの、高安に限って言えば、この絶好調ぶりで一気にV候補に躍り出たという。
相撲ジャーナリストの荒井太郎氏が期待を寄せる。
「格上相手でもものおじしない気の強さと実力は大関級です。体調面さえ万全ならば、大関取りに必要と言われる10勝はおろか、11勝、12勝をあげて優勝争いに絡むのは確実。ただ、気がかりなのは連敗グセ。黒星を喫しても気持ちを切り替えて、翌日の取組に臨んでほしいですね」
さて、次世代の角界を担う逸材と言われるのが、貴乃花部屋の貴源治(19)だ。今場所、新十両に昇進したばかりだが、191センチ、153キロの日本人離れした体躯の持ち主で、
「今年中に幕内に上がることが目標。横綱全員とやりたい」
と、報道陣の前で自信をあらわにした。
「貴乃花部屋の待ったなしの稽古は伝統です。稽古量が少なくなっている力士の中でも貴乃花部屋の稽古量はハンパじゃありません。貴源治については、その素質にほれ込んだ貴乃花親方みずから指導しているようです」(相撲関係者)
貴乃花親方のデビューと同じく、中学卒業と同時に角界入りした貴源治。闘争心の強さは師匠譲りだという。
「昨年秋の巡業では、学生出身の実力派力士を突っ張りで大流血させる一幕がありました。年上でも容赦なく張っていくハートの強さも大きな武器です」(荒井氏)