5月3日から歌舞伎座で始まった「團菊祭五月大歌舞伎」で、女優・寺島しのぶの長男眞秀くんが、初お目見え。酒屋の丁稚・与吉を演じ、観客から喝采を浴びた。
「花道に登場すると“かわいい”の声がかかり、セリフを言って花道を戻っていく姿に拍手が送られていました。4歳でしかもハーフの歌舞伎役者は、公には初めてと言われています。今から成長が楽しみですね」(女性誌記者)
寺島の夫は、フランス人のアートディレクター、ローラン・グナシア氏。ハーフの歌舞伎役者に対しては、賛否両論。さまざまな意見があったという。
「反対する声もありますが、そこは現・菊五郎、その父、祖父と三代続けて人間国宝になっている音羽屋。文句を言わせなかったようです」(歌舞伎関係者)
さらに息子の“歌舞伎役者デビュー”には、母である寺島の、歌舞伎に対する並々ならぬ思いがあったという。
「寺島は小さい頃、歌舞伎役者になりたかったものの女性だけになれず、家出をした経験があります。それだけに息子が生まれた時、口では“息子が選んだ道を行って欲しい”と言っていたものの、心の中では歌舞伎役者になって欲しいと強く思っていました。反対する声があっただけに、感慨ひとしおのはずですよ」(前出・女性誌記者)
実は、そんな寺島自身の願いを叶える出来事がもうひとつある。
「今年の2月、寺島は六本木歌舞伎『座頭市』に出演。市川海老蔵と22年ぶりに共演を果たし話題を呼びました。寺島はその舞台で白塗りをして早変わりや花魁道中を披露しています。本人も感慨深いものがあったようです」(前出・歌舞伎関係者)
幼い頃からの夢を果たした寺島。これからは女優として、名門音羽屋を担う歌舞伎役者の母として、ますます存在感を発揮していくに違いない。