こんな話もある。
「今春、WBCで侍ジャパンは準決勝で敗退したがDH経験のないヤクルトの山田哲人が『感覚をつかめない』と漏らすなど、DH未経験の影響が少なからず出ています。そして、次のWBCはもとより、2020年の東京五輪でもDH制ありきで試合が運営されることも決定済み。『侍ジャパン強化のためにもセ・リーグもDH制を導入すべし』という大義は十分に成り立ちます。そうなると、反対する球団やファンも納得させるには十分と言えるでしょう」(セ担当記者)
さらに、大きな追い風となりそうなのが、メジャーの動向だ。
NPB(日本野球機構)は、これまでコリジョンルール、危険併殺の防止ルールなど、メジャーが採用した翌シーズンには全て追随、導入してきた経緯がある。こうした“DH制導入の外圧”もまた日本球界に押し寄せてきそうな気配なのだ。メジャー事情に詳しいスポーツジャーナリストが語る。
「ナ・リーグは今年DH制導入寸前までいきました。マンフレッド・コミッショナーも“DH制を入れる機は熟した”と発言しています。メジャーでもア・リーグにスター選手が集まり、ナ・リーグが人気も実力も劣勢で、また強力な発言力を持つ選手会が、『選手の労働機会を増やせ、選手寿命を延ばせ、給料を増やせ』とプレッシャーをかけているからです。当然DH制のあるア・リーグのほうが平均年俸が高いんです。このオフにまた議論が再燃しますから、来年からDH制を採用ということもあるかもしれません」
メジャーが2018年から導入すれば、外圧を受けて、セ・リーグのDH制導入は、早ければ2019年。
清宮獲得とピタリ合致し、ナベツネ巨人の高笑いが聞こえてきそうだが‥‥。
「ここにきて、広島やDeNAなどが人気なのは、成績が低迷していた時期を乗り越え、順位を上げてきたからこそ。球界の盟主だった巨人も14年以来、リーグ優勝から遠ざかっていますから、まずは盟主の復活が優先されるべきでしょうね」(前出・セ担当記者)
人気復活の手はずは整っているだけに、いちばん地団太を踏んでいるのは当の巨人ファンかもしれない。