さて、5月16日、37試合目にして「自力優勝消滅」という危機的状況に陥っているのがロッテだ。61年に近鉄が唯一記録したシーズン100敗がチラつくばかりか、チーム打率が2割1厘と、ちょうど国鉄スワローズが62年に記録した戦後ワースト記録に並び、まさに記録的惨状である。ベンチには連日盛り塩が置かれ、選手にも重い空気が蔓延する中、実は新たな遺恨を生み出していた。選手、スタッフ間で「セ・リーグになら勝てる!」と能天気な声が出るありさまなのだ。
「ロッテはオープン戦でぶっちぎりの首位でしたが、18試合のうち16試合はセ・リーグとの試合だった。ムードメーカーの清田育宏(31)は『セ・リーグのピッチャーなら打てる』と漏らし、『記者が暗いと選手も暗くなるんで、足引っ張らないようお願いしますね』と筋違いなお願いまでしています」(スポーツライター)
セ・リーグも最弱チームになめられたものだが、そこに立ちはだかりそうなのが、こちらも崖っぷちの中日・岩瀬仁紀(42)だという。
「森繁和監督(62)が岩瀬の扱いに頭を悩ませているんです。4月26日、試合後の囲み取材で敗戦投手となった岩瀬の名前をある記者が出すと、森監督は無視したあげく、会見を強制終了しています。岩瀬は首脳陣に『二軍に降格するなら引退する』と伝えている状況で、森監督は功労者に引導を渡すことに躊躇しているんです。そこで出た妙案は、ロッテ戦で登板させること。歴史的貧打線に打たれれば自身で引退を決めるでしょうし、抑えて復調につながれば、それはそれでよしという考えのようです」(地元中京メディア関係者)
ちなみに、森監督はもう一人、因縁深い相手がいる。西武の辻発彦監督(58)だ。
「辻監督は昨年まで作戦兼内野守備コーチとして、森監督を支えていました。森監督は『残ってほしい』と要請し、辻コーチに西武の新監督就任の噂が出た際、『西武行くのか?』と聞くと『そんな話はまったくありません』でした。ところが蓋を開けてみたらこれだった。仁義を重んじる森監督は激怒している」(前出・スポーツライター)
大小さまざまな火種をはらむ交流戦が、今年もペナントレースの行方を左右しそうだ。