史上最年少でプロ資格を取得し、昨年12月のデビュー戦から連勝街道をひた走るスーパー中学生・藤井聡太四段。いったい何でそんなに強いのか‥‥。プロ棋士や将棋愛好家が、規格外の実力を称賛分析する!
藤井聡太四段(14)と同じく“中学生プロ棋士”としてデビュー。現在まで歴代最多となる97回のタイトル獲得を誇る羽生善治三冠(46)は、AbemaTV主催の「炎の七番勝負」内の対局で敗れたあと、プロ入りわずか半年の若武者を次のように評した。
「すごい人が現れたなと思いました。今の藤井さんはかなり完成されているというか、しっかりしているので、そこが私がプロになりたての時とまったく違うところだと思います」
非公式対局ながら絶対王者から大金星をあげただけでなく、手放しの賛辞を贈られた藤井四段。公式戦では28連勝中(6月22日時点)で、その快進撃は社会現象になった。芸能界きっての愛棋家で知られるつるの剛士(42)は語る。
「佐藤天彦さん(29)が20代で名人を獲得したりと、将棋界にも新世代の方たちが台頭してきましたが、“羽生七冠”のインパクトはなかなか越えられないものがありました。そんな中、藤井さんはようやく現れた、ファンが待ち望んでいた圧倒的なスーパースターだと思います」
つるのが対局を見るたびに驚くのは、年齢に似つかわしくないタフな精神力だという。
「それこそ、四冠を達成された谷川浩司先生(55)や今の羽生さんのような、まったくソツのない丁寧な将棋を指すんです。あれだけ大棋士の先生たちと盤を挟んで向かい合っていたら、多少は緊張したりとか、ちょっと揺らいだりとかがありそうなものですけど、常に落ち着いている。あの羽生さんでさえ、若い頃の対局の映像を見たら、闘志剥き出しで戦っていたのに」
実際に棋士たちは、藤井の活躍をどのように受け止めているのか。これまで公式戦で藤井と2戦した都成竜馬四段(27)に話を聞くと、
「藤井さんは、これだけ話題になる以前から将棋界では有名で、奨励会(日本将棋連盟のプロ棋士養成機関)の三段リーグでも、対局を重ねるごとにどんどん強くなっている、と聞いていました。ですので、プロデビューの時点で、すでに棋士間での評価は高かったと思います」
都成四段はデビューから20連勝中の藤井と対局することとなる。しかし、
「まさかここまで連勝するとは‥‥」
こんな思いもあって、藤井の将棋を徹底的に研究するも、
「それまでの将棋の内容を見て、めちゃくちゃ強いことはわかっていた。段位こそ同じ四段ですが、実力的には自分よりも高いレベルにある、と思っていました」