思えば昨年、「清武騒動」の渦中で、巨人が江川氏をヘッドコーチに迎え入れるという計画が暴露されたこともあった。
「それを全日本で復活させる、という案もあります。一説には、今も原監督が最有力候補だと言われている。すでに話はできていて、CSや日本シリーズに影響しない形で発表しようとしているとのプランです。それでも、原監督の気持ちは巨人での指揮に専念したい。そこで原ジャパンのヘッドに江川氏を据え、原監督をお飾り監督として、実質、江川氏にチームを託すという案です。仮に王さんが秋山監督を口説き落としてしまったケースでも、読売としてはせめて江川氏を入閣させて、将来、巨人に利益をもたらすよう画策するのでは」(前出・球界関係者)
監督選考の裏側では政治的な駆け引きが行われている模様だが、読売の思惑とは別の候補者を推す声も多い。先日の講演会で落合氏は、
「野村さんがいちばんいいと思う」と断言している。
「前回大会の主力選手の一人も、『シーズンなら落合さんかもしれないが、短期決戦で勝ち方を知っているのはノムさんしかいないだろう』と希望を口にしていました。マスコミの間でも、リップサービスが望める野村監督を推す声は多い」(前出・スポーツ紙デスク)
ただし、監督人事が選手の出場、不出場にも連動することを忘れてはならない。例えば、過去2大会で全日本を引っ張ったイチロー(38)の出場にも影響すると言われる。
「野村監督といえば95年の日本シリーズで、戦う前からメディアを使って揺さぶりをかけてイチローを封じ込め、ヤクルトが日本一になりました。しかし、イチローは真っ向勝負ではない駆け引きに激怒し、翌年のオールスター戦の際には、移動の新幹線で野村監督と前後の席に座ったにもかかわらず、挨拶もしなかった。野村監督は、『目も合わせんかった。クソガキが!』とこぼしていましたよ。山本浩二氏にしても、イチローにとって、ドラフト時に中日入りを拒んだ星野監督の一派。さらに原監督に対しても、前回大会であまりに言葉の説得力がなかったため、『お前さんたちは‥‥』の口癖を事あるごとにマネて、陰で小バカにするほどでした」(前出・球界関係者)
結局、“消去法”で、現場でのしがらみが少ない江川氏しか残らないのではなかろうか。「空白の一日事件」以来の電撃契約の日は近い‥‥!?