スポーツ

12球団の「ヤング侍」汗と涙のブレイク秘話(5)

巨人
宮國 メッタ打ちを「想像」して登板する珍選手
田原 あの「高津シンカー」は工場勤務の賜物

 独走でリーグ優勝を決めた巨人。その要因は杉内俊哉(31)、村田修一(31)、ホールトン(33)といった新加入組の活躍だけではない。生え抜き選手の台頭がチームの地盤を揺るぎないものにしたのだ。

「ヒット、ヒット、またヒット。連打が止まりません。宮國がメッタ打ちされています!」

 実況をつけるなら、こんな具合か。高卒2年目ながら安定したピッチングを披露している宮國椋丞(20)だが、試合前には必ず自分が相手に打ち込まれるシーンをイメージしてからマウンドに登っているという。

「糸満高時代の宮國は今とは異なり、大事なところで打たれるケースが多かったんです。そこで上原忠監督が勧めたのが、試合前に打たれる想像をすること。そうすれば実際の試合で打たれたり、思いどおりにいかなくても焦らずに済むという発想です。これが実に効果てきめんで、今も続けています」(巨人番記者)

 加えて、巨人OBの桑田真澄氏の教えも、宮國の支えになっている。

「12球団新人研修の時に講師として招かれた桑田氏が、『野球は人生のようなもので、いい時もあれば挫折する時もある。ただ人生とは違い、野球には代打もあればリリーフピッチャーもいる。野球は困ったら仲間が助けてくれる。仲間を信じて失敗を恐れずにやりなさい』と話した。その言葉にとても共感したそうです」(担当記者)

 また、先発ローテーションを争うという意味ではライバルの東野峻(26)からも後押しをもらっていた。

「宮崎キャンプの時に東野から食事に誘われ、『巨人のピッチャーは一度チャンスを逃したら数年チャンスが回ってこないこともある』とアドバイスされた。東野は以前、紅白戦、オープン戦を通じて防御率0点だったにもかかわらずローテーションに残れなかった苦い経験があり、『バッティングピッチャーの時から全力で行け』と宮國に助言したんです。最初はあぐらをかいて聞いていた宮國も、途中から正座して耳を傾けていた」(前出・番記者)

 東野の言葉どおり、宮國はキャンプのフリー打撃から先輩バッターの内角を攻め続け、開幕ローテーション入りを勝ち取ったのだ。

 宮國とは正反対に、ポジティブ思考で結果を引き寄せるのが田原誠次(23)だ。

「三菱自動車倉敷オーシャンズの橋本真吾監督は、『いつも前向きで田原はしんどいとか、きついとか、そういうことは一切言わなかった』と話しています」(球団関係者)

 前向きさは好奇心にもつながる。例えば、プレートの位置を一塁側から三塁側に変えると角度がつくと教わればすぐにそれを試し、実戦で使えるようにしたという。その柔軟さは当時の仕事に起因している、と関係者は語る。

「当時は朝から15時半まで工場勤務で自動車部品を作っていたのですが、そのおかげもあって手先がとても器用なんです。それは当然ピッチングにも結び付くことで、持ち球のシンカーは本人が目標だと語る高津臣吾氏の動画を見てマスターしたそうです」

 スター選手だけでなく、多くのニューヒーローを誕生させながらペナントレースを制した巨人。その戦いぶりは、新たな黄金時代を予感させるに十分なものではなかろうか。

カテゴリー: スポーツ   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
巨人・坂本勇人「2億4000万円申告漏れ」発覚で「もう代役・中山礼都の成長に期待するしかない」
2
青柳晃洋「マイナー登板でも大乱調」の暗闇…また「有原式」「上沢式」が発動されるのか
3
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
4
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」
5
フジテレビ衝撃の報告書に登場する「タレントU」は「引退」を口にした!当てはまる人物は…