確かにDeNAは、たとえ年俸3億円規模のマネーゲームに発展しても補強をしたい覚悟が見える。春田真オーナー(43)が「補強費は惜しまない」と言明しているというからだ。
「DeNAは、デニー(友利結)投手コーチ(45)が、 福留と同じ吉本興業とマネジメント契約を結んでいる関係から、密に連絡を取っているといいます。福留自身、常勝チームや金銭的条件よりも『やりやすい環境』を求めているようで、DeNAが争奪戦でリードしているともっぱらです」(前出・球界関係者)
DeNAは5年連続最下位が濃厚だけに、それこそ笑えないほど必死。そして、その福留を露払いにしてでも狙いたい最大のターゲットが、14年前のドラフトで「相思相愛」と言われながら抽選で西武に奪われた、レッドソックスの松坂大輔(32)である。
今季でレ軍との6年契約が切れるが、周知のとおり昨年に右肘を手術し、今年6月に復帰したものの、1勝6敗、防御率7・68と、残留はきわめて厳しい情勢になっている。
DeNAには、西武時代、レ軍巡回コーチ時代を通じて信頼するデニーコーチが在籍している。さらに今季は、横浜高校時代の同級生、小池正晃(32)、後藤武敏(32)も加入。同校の後輩、石川雄洋(26)、荒波翔(26)、筒香嘉智(21)がチームの中心を担うだけに、環境は整っている。まるで、松坂獲得のためにそろえた陣容であるかのようだ。何より池田純球団社長(36)が、「どうしたら松坂を獲れるか日々、考えている」と口にしているほどの入れ込みぶりだという。
「もちろん、古巣・西武も松坂の日本復帰を見越して、手をあげる姿勢を見せています。とはいえ、株式再上場も間近と言われる西武グループは、球団の赤字を減らしている最中です。最低3億円と言われる“松坂資金”を捻出するのは難しいでしょう」(前出・スポーツライター)
松坂のメジャー志向は有名だが、3年目以降は10勝すらクリアできず、この3年間でたったの16勝。置かれているシビアな状況も、“オチメジャーリーガー”としての帰国を後押ししている。
「これまで松坂は、滑るボールやマウンドの傾斜、球数制限など、完全にはメジャーに適応しきれていないことが指摘されてきた。他の投手たちが少なからず克服してきたことなのに、6年たっても『投げてみなければわからない投手』というのでは‥‥。松坂ほどの投手ですから、輝きを取り戻すためにも日本球界復帰という選択肢が必要なのでは」(スポーツ紙デスク)
そんな松坂の帰国案に障壁となるのが、3人の子供の教育に熱心な倫世夫人(37)なのだという。
「来年9月には長女が小学校に上がりますが、夫人は学術都市・ボストンでの子育てを望み、現在の暮らしを変えるつもりがない。英語も堪能な彼女は、レ軍の婦人会などにも参加してなじんでいます。松坂は倫世夫人の言うことには逆らえませんからね」(現地ジャーナリスト)
しかし、現在の成績で松坂がアメリカにとどまれば、招待選手でキャンプを迎え、シビアに結果を求められるのは必至。3月のWBC出場は絶望的な状況となる見通しだ。
一方、こんな声も─。
「実は今季、日本球界に復帰したソフトバンクの岡島秀樹(36)は家族をボストンに残した“逆単身赴任”なんです。くしくも昨年までの同僚・岡島の成功例もあり、アピールの場として1年限定の条件付きとかで松坂が日本に戻ることは可能でしょうね」(前出・スポーツライター)