エイベックス・グループ・ホールディングスの松浦勝人社長といえば、グループの総帥として芸能界に大きな影響力を持ち、現在、芸能事務所の業界団体である「日本音楽事業者協会」の理事も務めてきた。
そんな中、昨年12月に同社は労働基準監督署から是正勧告を受けて、従業員への未払い残業代が約10億円にも及ぶことが明らかになった。
松浦社長は労働基準監督署からの是正勧告に対して、自身のブログで、
〈真摯に受け止め対応はしている〉
としながらも、
〈好きで働いても法律に決められた時間しか働けない〉
〈時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい〉
などと不満を語っていたが、結果的には勧告を受け入れることとなった。
だが、いまだにこの騒動で芸能界全体に大きな波紋が広がっているという。
「実は松浦さんは騒動の最中に、『音事協』サイドにも労基署からの是正勧告の件を相談していたそうなんです。昔から芸能界は職人の世界ではないですけど、労働環境の問題などには無頓着なところがあり、今回のエイベックスに対する勧告も芸能界全体の問題として捉えてほしいと思ったのでしょう。でも、現会長のホリプロ・堀義貴会長ら音事協サイドには受け入れられず、不満に思った松浦さんは理事を辞任したんです」(芸能プロダクション関係者)
松浦社長といえば、「音事協」の次期会長の有力候補と言われていただけに、今後の動向が気になるところである。
(しおさわ かつつね)