2017年、デビュー20周年の節目を迎えるKinKi Kids。堂本剛は突発性難聴を発症し、7月4日に退院したばかり。体調が心配される。そんな堂本はふるさと・奈良への愛が強いことで有名だ。理由のひとつは、大事な家族が住んでいるからだ。剛は親孝行として知られ、母親を想う気持ちは、特に強い。アイドル取材経験が豊富な記者が振り返る。
「かなりのド根性母ちゃんですよ。かつてアイドル雑誌で、幼少期を写真とともに振り返る企画を担当したんですが、剛くんのお母さんは、出産日を自力で動かしているんです。6歳上に姉がいて、剛くんは堂本家待望の長男。出産予定日は1979年4月9日でした。予定通り、この日に陣痛が始まったんですが、お母さんは『4と9では縁起が悪い』という理由で、『まだ生まれないで』とお腹の中の子に話しかけて、痛みをこらえたんです。深夜0時が過ぎて、翌10日になると、今度は医師が『まだ5~6時間は生まれてこない』と判断した。するとその足で、医者はフラリと外出してしまったそうです(笑)」
母が産気づいたのは、担当医が不在になった後。残された看護師は、「我慢してください」と言うよりほかなかった。担当医が戻ってきた朝方、やっと「オギャー!」と元気な産声をあげて、のちにトップアイドルとなる堂本剛が誕生。体重3,150グラムで、この世に生を受けた。
かくして、死(4)と苦しみ(9)をみごとズラして、4月10日が誕生日になった。
気合と根性で痛みを乗り越えて、出産日を自力でズラした剛ママ。その38年後、愛しい息子が歌手デビュー20周年を盛大なライブ、ドラマ、歌番組、イベントで祝われることになろうとは、さすがに予想できなかったに違いない。
(北村ともこ)