一方、紳助の現在の自宅は大阪市内を一望する超高層マンションに妻と本人名義で2部屋を所有している。インターホンを押すと、20~30代ほどの若い女性の声がした。「長谷川さん(紳助の本名)のお宅でしょうか?」
「いえ、違います」
ブツリと切られてしまった。もう一方の部屋の番号も押してみると、こちらはまったく反応なし。
近所の不動産屋に話を聞くと‥‥。
「売り出し時から9年近くたってるけど、今でも売れば5000万~6000万円くらいの値は付くんちゃうかな。超が付く高層マンションでは、市内でいちばん最初に建てられた物件。会社の社長さんや役員クラスが住むようなとこですわ」
かつて紳助を取材したことのある在阪雑誌記者が語る。「地下の駐車場からワンフロア購入した上階まで直行ですから、同じマンションの住民もほとんど姿を見ることはないですよ」
引退まではあれほどの権勢を誇っていた紳助だが、その生活ぶりは、思いのほか質素のようだ。かつては、“紳助ファミリー”と言われた芸能人との派手な交遊も、今ではほとんど聞かれることもないという。
前出・雑誌記者がこう解説する。
「『クイズ!紳助くん』(朝日放送)などの番組は大阪制作でしたけど、今でも地元の関西の番組を大事にしている明石家さんま(57)なんかと比べると、紳助はここ10年ほどは大阪との関係は切れていて、ギャラが2~3倍の東京を主戦場にしていた。大阪に来ても日帰りだったりといった感じでしたから、芸能人との交遊は、後輩で紳助を慕う売れない芸人ばかりが取り巻きにいるぐらいでした」
そうした中、唯一とも言える行きつけの店が、高級クラブ「W」だったという。
「紳助は意外に新地で飲むのは好きじゃなくて、行く店は限られていましたね。ここ何年かは「W」には月1くらいで行っていました。昔、テレビ番組に出ていた女性なんかも働いている店で、経営者が芸人好き。他にも元プロ野球選手のKや歌舞伎俳優のEなんかも来店する店です。でも引退前には、仕事が忙しくてちょっと疎遠気味になっていたようです」(前出・記者)
芸能界引退とともに、まるで糸の切れたタコのように、芸能界はおろか、人前からもすっかり姿を消してしまった紳助。もはや表舞台には未練がないようにも思えるのだ。