夏の甲子園で最も準優勝の多い都道府県は、6回で2位タイに並んでいた山口県と静岡県に3回もの差をつけて、ぶっちぎりの9回を記録している京都府である。京都府は栄えある第1回大会の優勝チームを輩出してもおり、それが京都二中(現・鳥羽)。それに加えて古豪の龍谷大平安が3回優勝の計4回の実績を残しているのだが、準優勝回数はその倍以上の9回。まさに“シルバーコレクター”なのだ。
その内訳は21年第7回大会の京都一商(現・西京)、戦後の第1回大会となる、46年第28回大会の京都二中、81年第63回大会の京都商(現・京都学園)、98年第80回大会の京都成章。そして夏の大会史上最多の準優勝回数4を誇る龍谷大平安である。
最初の準優勝はまだ平安中時代だった28年第14回大会。松本商(現・松商学園)に3‐1で惜敗した。次も平安中時代の33年第19回大会。1‐2で敗れ、中京商(現・中京大中京)に大会初の3連覇を許してしまうことに。3回目も平安中時代の36年。岐阜商(現・県岐阜商)の猛打の前に1‐9で完敗している。
そして、最多記録となる4回目は平成に入ってから。97年第79回大会で、当時、甲子園の常勝チームの仲間入りをしつつあった智弁和歌山の前に3‐6。同校史上56年第38回大会以来、4度目の優勝を狙ったが涙を飲んだ。
ちなみに京都府勢の直近の優勝がこの56年第38回大会。龍谷大平安の校名がまだ平安だった頃に岐阜商(現・県岐阜商)を3‐2で降して、同校史上3回目の夏の甲子園制覇を果たしたのが最後となっている。その間に記録した準優勝回数は4回。
さて、来年以降の夏の甲子園では、京都府勢5回目の優勝が先か、それとも10回目の準優勝が先となるのか。
(高校野球評論家・上杉純也)