そんな巨人では、マイコラス(29)とマシソン(33)という先発、中継ぎを支える助っ人がメジャー流出する危機に直面している。ところが、その穴を埋めなければならない山口俊(30)と澤村拓一(29)がチーム内で総スカンのありさまなのだ。
「山口は例の泥酔暴行事件で総額1億円以上の罰金など、処分が下された当初は焦って選手会に相談しましたが、コトが想像以上に大きくなると、選手会の動きとは無関係だと主張し、選手会をアゼンとさせている。そのうえ、まとまった話を混乱させたことで、球団からも半ば見放されています。実は昨年、野球賭博事件で契約解除され、今年3月に育成枠で再契約した高木京介(28)を9月に、手薄な中継ぎを補強するため昇格させるプランがあったのですが、山口の一件でトラブルメーカーに対する風当たりを考慮して見送りになったといいます。山口の存在が巨人の足かせになっている」(NPB関係者)
一方で、澤村の評判も芳しくない。
「右肩のコンディション不良が球団トレーナーの施術ミスということになっていますが、あれは澤村が複数の病院から診断書をとってきて球団に認めさせたんです。とはいえ、正直、トレーナーのミスだったとする因果関係は不明。世話になっているトレーナーの経歴に傷がつくようなことをして、現場はシラけ、球団も激怒している。山口ともども厄介払いしようという声が出ています。ただ、世間的には澤村に味方する声が多いため、山口のみ放出、それも無償トレード案がささやかれている」(球団関係者)
さて、すでに金本知憲監督(49)の続投が決まっている阪神も、掛布雅之2軍監督(62)の退任問題でゴタゴタしている。特守、特打で、徹底的に若手をファームで鍛えたい金本監督が、選手の自主性を重んじる“掛布方針”を嫌い、フロントは“金本流”を全て飲んだ。掛布2軍監督を「排除」したことで、毎度おなじみのお家騒動が勃発している。
「金本監督は『俺の悪口を言っている』と、掛布2軍監督の退任をフロントに要求。フロントは何も決められず、坂井信也オーナー(69)にお伺いを立てて、『金本の好きなようにしてやれ。掛布には、ポストを用意してやれ』となったようですが、ファンからのフロント批判や金本批判が相次いで新たなる火種が生まれています」(球団関係者)
チーム内では若手もベテランも、金本独裁の恐怖におののいているという。
「これまでは結果が出ずに落とされても、2軍で掛布監督が再生させれば再昇格を推薦してもらえましたが、もう1、2軍の全てが金本独裁ですから、反抗して嫌われたらおしまいです。全員がイエスマン状態になりますね」(前出・球団関係者)
さらに、最も大きな影響を受けそうなのが、先日、「プロ宣言」直後にドラフト1位獲りを公言した、早実・清宮幸太郎(18)の獲得問題。大阪の府立茨田高校出身の父・克幸氏、そして清宮本人も大の阪神ファン。4年前には、中学生の清宮をDC時代の掛布氏が激励訪問して感激させている。
が、掛布2軍監督が現場にいなくなったことで、「もし困っても掛布が教えます」という面談での殺し文句が使えなくなったのだ。
「清宮家は、事前に獲得希望球団と面談を行って、ふるい落とし作業を行います。克幸氏が面談に同席するらしいのですが、『なぜ掛布さんが退任なのですか?』と聞かれて、どう答えるのでしょう。克幸氏は、早大、サントリー、ヤマハでラグビーの監督を務め、マネージメント論を極めているため、そうした知識が深い。内情を隠すために説明が曖昧だと、いくら阪神ファンでも清宮家が不信感を抱く可能性がありますね」(他球団スカウト)
難問を抱える各球団のストーブリーグ。波乱含みに目が離せない。