優勝争いが熾烈になるほど、選手たちにのしかかるプレッシャーも大きい。そんな緊張感から解放されたとたんに本領発揮した消化試合王たちを一挙紹介!
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今年のペナントレースは、巨人が2位の中日に10ゲーム以上の差をつけて、2年ぶりにセ・リーグを制し、パ・リーグは日本ハムが3ゲーム差で2位の西武を振り切っての優勝という形で幕を閉じた。
ここで取り上げる「消化試合王」は、優勝チームが決まった翌日から活躍した選手のことである。
まず「打率部門」。セでは今シーズン3位に食い込んだヤクルト勢が上位を独占。3位の相川、2位の福地はリーグ通算打率2割5分前後であるにもかかわらず、消化試合ではまさかの4割超えである。
さらにパでは、ペーニャが脅威の5割達成。もっと早くにこの成績なら、ソフトバンクの逆転優勝も可能だったかもしれない。
続いては「打点部門」。セ1位には森野がランクイン。シーズン通算50打点のうち、9打点が消化試合中に打たれている、まさに消化試合王の名にふさわしい成績である。
他にも阪神のマートンや鳥谷も注目だ。ダメ虎と呼ばれた今シーズンだったが、消化試合は絶好調で打点を荒稼ぎした。「ハナっから打たんかい!」。そんな地元の声が今にも聞こえてきそうである。
ちなみにホームラン数は両リーグとも低レベルな次元で拮抗。セは最下位の横浜から井出正太郎、金城龍彦と2名が入り、バレンティン(ヤ)、平田良介(中)とともに4人が2本で同率1位となった。
対するパのホームラン争いは9人が1本で並んだ。シーズン27本でホームラン王の中村剛也(西)がいれば、年間で4本しか放っていない鵜久森淳志(日)や聖澤諒(楽)もいた。
だが、消化試合王に関して広澤氏はこう解説する。
「消化試合で大切なのは、相手の勝負が決まっているかどうか。そこを狙って、勝負しているチームもあるわけです。昔と違って今はクライマックスシリーズがありますから、本当の消化試合は優勝チームだけです。昔の消化試合のイメージとはまた違ってきていますからね」
気の抜ける時期がなくなったプロ野球。消化試合王はあくまで参考記録で。