落下傘候補者たちも「刺客」と呼ぶには不似合いな“逸材”が名前をそろえた。安倍晋三総理(63)の最側近で、小池氏の天敵でもある萩生田光一氏(54)にぶつけたのは、元大阪府寝屋川市議の吉羽美華氏(37)。
「美人市議として大阪ではそれなりに知られた存在です。8年前に自分で写真集を500部刷ったところ完売しました。ビットコインのセミナー講師もしていますが、八王子の有権者にはあまり響いていません」(政治部デスク)
東京7区で立憲民主党の長妻昭氏(57)と戦うのは、前熊本県議の荒木章博氏(64)だ。
「都民ファーストの会代表・荒木千陽氏(35)の父親というだけで、東京まで呼ばれて落下傘になったうえに、過去にセクハラで訴えられていたことが発覚。“いわくつき”だけに女性票が集まるとは‥‥。党幹部の若狭勝氏(60)が中心となって“身体検査”をしていますが、なにしろ時間がないのでザル状態。当選してもスキャンダル続出の危機に陥りそうです」(前出・政治部デスク)
その他にも「俳優」や「作曲家」の肩書を持つ新人候補が、縁もゆかりもない選挙区に飛ばされていた。希望の党と共闘する、ある地域の民進党県連幹部が裏事情を明かす。
「公示日直前に希望の党側から連絡が来て、私たちの知らない候補者を公認したと言われました。候補者の顔を確認しても、『あんた誰?』ってキョトンですよ」
予想外だった希望の党の体たらくで与党サイドに楽観的な空気が流れたのか、自民党本部が12日に各候補者の選挙対策事務所に、
〈1票すらも取りこぼすことのない万全の態勢を組んで運動にあたっていただきたい〉
と「引き締めメール」を送ったほどだ。
それでも自民党内では小池氏に“お情け”がかけられているという。
「もう自分たちの脅威ではなくなったことで、今後は東京オリンピックで手を組んでいくことを見据え、露骨な小池批判を控えるようにしています」(自民党関係者)
一方、転んでもタダでは起きないのが小池氏である。政争の矛先を自民党から立憲民主党に変えるというのだ。
「新党を作って最初の選挙で仮に80議席取れれば、戦後日本の政党の中で最多となります。今回の選挙で布石を置き、次の選挙で議席を伸ばせば保守二大政党として存在感を発揮できる。だからこそ今のうちに立憲民主党を叩き潰しておきたいのです」(山村氏)
大勝利した都議選に続いて、衆院選の期間中もゲン担ぎの「断酒」を決行している小池氏。選挙戦略は“泥縄”でも、22日の投開票日まで小池劇場から目が離せそうにない。