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2017プロ野球「行く年来る年」座談会(4)日ハム・清宮は2割7分、20本塁打は打つ

 一方、球団ワーストの87敗で最下位だったロッテは苦しい1年だったな。

駒田 デスパイネがソフトバンクに移籍した穴が大きかった。代役として獲得したパラデスとダフィーが完全に期待外れでしたからね。

内藤 来季から指揮を執る井口資仁監督は、さまざまな新しい取り組みを明かしていますね。来春キャンプでの1、2軍枠撤廃や、2月1日から実戦形式の練習とか。「全員が主将の気持ちでやってほしい」という狙いから主将制度も廃止した。

 選手からの人望があるのは確かだけど、過去、現役から即監督に就任して1年目から結果を出した人は1人しかいない。その1人が伊東勤前監督というのは皮肉なんだけど、その意味で井口新監督の前途も多難だと思うな。それより来季最大の話題となる清宮幸太郎と、メジャー移籍する大谷翔平にも触れておこうよ。

内藤 日本ハムって本当に“持ってる”球団ですよね。ダルビッシュ有、中田翔、斎藤佑樹、大谷に続いて清宮君ですもんね。

駒田 クジを引き当てた木田優夫GM補佐は、しばらく何も仕事しなくても許されるんじゃない(笑)。

内藤 実は僕は清宮君の「育ての親」なんです。彼は小学生時代、僕の関わっていた野球教室に来ていた。彼が小5の頃から僕がバッティングピッチャーも務めましたが、その頃はスローボールで空振りを取れましたけどね(笑)。まあ、いちばんうまかったけど、あそこまで成長するとは‥‥。他の子がミスをしたら連帯責任で彼にもスクワットを課すんですけど、嫌な顔をするようなことはなかったです。リトルリーグの世界選手権前には「絶対優勝します」と言っていて、本当に優勝してしまった。中学でシニアリーグに入ってからも何度か練習を見ましたが、お母さんが熱心にグラウンドまで送り迎えをしていましたよ。

 同じ左打者として、コマの目には清宮の打撃はどう映ってる?

駒田 バットとボールが接する時、力任せに引っぱたくのではなく、ボールを捕まえていますよね。だからミート力が非常に高い。これは天性のもので、高校生としては間違いなく超一流です。ただ、当たり前ですが高校とプロでは投手の質が違う。プロの球を体感してスイングスピードを上げるための時間は必要でしょうね。

 俺も将来を考えれば1年目はファームで鍛えるべきだと思うんだ。近年の高卒打者で1年目から常時出場したのは清原和博だけだろ。松井秀喜でさえ57試合。中田は22試合で、筒香嘉智に至っては、たったの3試合。それでもみんな大打者に育っている。でも、あれだけの人気を考えれば1軍で使わざるをえないんだろうな。

駒田 中途半端に1軍に置いておくというのがいちばんダメですね。目をつぶって1軍で使い続けても、打率2割5~7分、本塁打20本くらいは打つでしょう。とはいえ、1年目がいちばんいい成績だった清原は抜けないと思います。ただ、将来的には三冠王も狙える打者だけに、2軍で実戦経験を積みながらじっくり育てたほうがいいでしょうね。

 一方の大谷は、移籍先がエンゼルスに決まったね。

内藤 チーム選択の決め手は、やっぱり「二刀流を認めてくれるか」だったんでしょうね。

 そうみたいだけど、大谷を二刀流選手として評価している球団は少なかったはずだよ。投手・大谷はどの球団も欲しがっているけど、打者・大谷に関しては「ピッチングに影響が出ない程度に使ってあげよう」ぐらいの評価だと思う。いずれにしても来年は、国内では清宮、海外では大谷が話題の中心になるのは間違いない。球界の盛り上がりのためにも健闘を祈りたいな。

<座談会メンバー>

角:(角盈男)/駒田:(駒田徳広)/内藤:(ギャオス内藤・内藤尚行)

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