3月23日、イタリアのミラノでフィギュアスケート世界選手権女子シングルスが開催され、ロシアの妖精アリーナ・ザギトワがまさかの5位に終わる大波乱となった。
抜群の安定感を誇り、平昌五輪では金メダルに輝いた15歳の天才はショートプログラムを2位で折り返すと、勝負の後半で3回転ルッツ・3回転ループという連続ジャンプに挑むも、ファーストジャンプから転倒の憂き目に合い、その後の連続ジャンプでも平静を取り戻すことができず。計5本のジャンプ要素に失敗。失意の演技を終えたザギトワは今にも泣き出しそうな表情のままエテリ・トゥトベリーゼコーチに抱きついた。
最終的な合計スコアは207.72点。彼女ほどの実力者にとってはあまりにも似つかわしくないものだが、わずか1カ月前に氷上で美しく舞っていた妖精に一体何が起きたのか。
「ロシアメディア『SOV SPORT』が指摘しているのは、今回のザギトワの敗因は『疲労とカラダの発育』である、としています。とりわけ後者の問題はすべてのティーンエイジスケーターに襲いかかる課題であり、今後も彼女に大きな問題を引き起こす可能性があるとも付け加えています。ザギトワは最近のインタビューにおいて、自身の身長が数センチ伸びたことを告白しており、これは彼女に限らず多くの若きスケーターたちを苦しめてきた“深刻な変化”なのです」(スポーツライター)
似たような問題を抱え、キャリアを早期に終わらせてしまったのは、日本でも人気のあったあの選手だ。スポーツライターが続ける。
「フィジカル的な成長による犠牲となったケースとして、SOV SPORTは2017年に現役を引退したユリア・リプニツカヤの例を挙げ、4年前の活躍がウソのようにその後は低迷したと指摘。今や19歳にしてキャリアを完全に終わらせてしまったとしています」
もちろんザギトワがリプニツカヤと同じキャリアを歩むとは限らないが、果たして「数センチ」の成長はこれから先のスケート人生において、15歳少女にどれほどの影響を与え続けるのだろうか。平昌大会の活躍で日本にも多くの“ザギトワ・ファン”が誕生し、日に日に注目度が上がっているだけに、今後の彼女の巻き返しと奮闘を願うばかりだ。
(ジェイコヴ)