しかし、昭恵氏を知る関係者たちは彼女の“天然ぶり”にホトホト手を焼いてきたと口をそろえるのだ。ある自民党中堅議員も困惑しながらこう話す。
「官邸側からSNSの発信やイベント参加は控えるように言われているのですが、ジッとしていられないようで‥‥」
昨年、森友問題がクローズアップされて批判が集中した時は自身のフェイスブックを“封印”したが、結局、我慢できずにわずか1カ月余りで再開した。今回も国会で妻の盾になっている「夫」への追及が厳しくなる最中、無邪気な昭恵氏は常人には理解しがたい行動で物議を醸している。フェイスブックに寄せられた、
〈野党のバカげた質問ばかりで旦那さんは毎日大変ですね〉
という野党批判の投稿に対して、投稿者の発言をホメる「いいね!」を押して、火に油を注ぐ結果に。財務省が改ざんを認めてから初めて福祉イベントに出席した時には、
「あまり先に起こることを恐れたりせず、日々を大切にしたい」
と、能天気な発言までしてみせていたほど。
だが、これまでにも昭恵氏の「ご乱行」はたびたび政権運営そのものに悪影響を与えてきた。
昭恵氏が政権の“アッキーレス腱”ぶりを露呈したのは、12年に「第2次安倍内閣」が発足してからのこと。「家庭内野党」を公言してTPPや消費税増税など安倍総理の政策に異を唱えては、「反安倍」コミュニティーを広げてきた。こうした言動が今でも夫婦の不仲説や離婚説に結びついていると言われている。しかし、夫婦仲は「いたって順調」という親しい関係者もいて、謎は深まるばかり。政治部記者が明かす。
「実は昭恵さんの行動原理には、学歴コンプレックスが深く横たわっているのです。もともと、蝶よ花よと育てられた箱入り娘。それが06年に総理夫人になった時、各国のファーストレディと会うたびに華やかなキャリアに肩身の狭い思いをして、作り笑いを浮かべることしかできなかった。それが悔しかったそうです」
昭恵氏の来歴を振り返ってみると、62年に森永製菓創業家の長女として生まれ、小中高はお嬢様学校で有名な聖心女子学院に通った。その高校時代に奔放な性格の片鱗をのぞかせている。昭恵氏の知人がこう明かす。
「夜遊び好きで親にバレないようディスコに通っていました。とにかく勉強嫌いで成績は悪かったですね」
多くの生徒がエスカレーター式に4年制の女子大に進学する中、聖心女子専門学校に進学している。その後、大手広告代理店「電通」の新聞局に勤務。グリコ森永事件が起きた84年頃、上司から安倍総理を紹介された。
「安倍さんと結婚するニュースを聞いた時は、当時を知る同級生は驚きすぎて固まりました。成績がよくなかったこともあったし、電通時代も『ジュリアナ東京』で踊りまくっていたので。ただ、彼女の性格を悪く言う人はいなかった」(前出・昭恵氏の知人)
そして07年に安倍総理が辞任すると、その2年後に昭恵氏は学歴コンプレックスを払拭するように、立教大学大学院に入学した。
「大学院に行ったことで、今まで自分の頭で物を考えていなかったことに気づいたそうです」(前出・政治部記者)
同級生にはリベラルな意見を持つ人も多く、その影響を受けて、天真爛漫なアッキーのキャラクターにさらなる拍車がかかったというのだ。