春のGI戦線が盛り上がる中、実はその裏の中央開催にこそ、妙味馬券が隠れている。先日行われた大阪杯当日も、裏の中山で内田博幸(47)が3勝2着2回と大暴れ。今週の裏は阪神、天皇賞・春の週が東京、そして5月になれば4週連続で京都と、連戦が続く。裏の中央3場で狙える「大穴騎手」をズバリ、指名しよう。
「裏開催」といえば通常はローカル競馬。先週から春の福島が開幕したが、騎手の顔ぶれを見ると、腕に一抹の不安がつきまとい、狙いが定まりにくいもの。
その点、「裏の中央開催」にはGIレースにお手馬がいない腕達者をはじめ、若手の有望株やベテランのクセ者騎手が顔をそろえる。スポーツ紙デスクが話す。
「今週の内田は皐月賞に騎乗予定ですが、まだ天皇賞・春は未定。もし裏の東京に参戦するなら狙ってみたいですね。昨年は89勝をあげましたが、そのうち43勝が東京と得意にしていますし、ダートに限れば連対率20.9%と高い。昨年の平均連対率が17.5%でしたから、内田は芝よりもダートが狙い目です」
週刊アサヒ芸能連載陣の一人、伊吹雅也氏も著書「コース別本当に儲かる騎手大全2017秋─2018」(ガイドワークス)の中で内田の具体的な得意コースをあげ、「東京でこそ狙いたい騎手です」と、こう戦績を振り返る。
「昨秋も京都の菊花賞当日、東京で行われたブラジルCを6番人気のメイショウウタゲで勝っていますが、ピンポイントで狙うなら芝2300メートル以上のレース(複勝率30.4%)とダート1400メートル以下のレース(同34.5%)。特に後者は馬番10番~16番であれば、複勝率も回収率もさらに跳ね上がります」
とはいえ、内田をはじめとするリーディング上位の騎手が「GI裏開催」に回るかどうかは、難しいところ。そこで有望な若手騎手に注目。前出・伊吹氏はまず、関東の武藤雅(20)を推奨する。
「デビュー2年目ながら、全騎乗のうち4分の3近くが中央開催という珍しいタイプです。東京&中山で単勝オッズが10倍未満の人気馬なら複勝率51%(回収率97%)。単勝10倍以上でも前走4着以内馬に限れば、複勝率36.7%(回収率93%)と安定しています」
藤田菜七子(20)と同期の菊沢一樹(20)も狙い目の一人だ。伊吹氏が続ける。
「東京&中山で単勝100倍未満の馬に騎乗した際、前走の4角を6番手以内で通過した馬であれば、複勝率24.6%(回収率142%)と高い数値を記録しています。また、これはGI裏開催ではないですが、3月17日の中山12Rで、前走4角6番手で通過したマッジョネラ(単勝79.9倍)を1着に導いています」