ウソつき国会で1日約5億円の血税が消えていく一方、ムダ遣いは国会の外でも横行している。中堅野党議員の秘書が匿名を条件に口を開く。
「目に余るのは、ムダに多い公用車。衆参両院で、毎日200台くらい黒塗りの車が止まっています。議員の電車通勤も珍しくないこのご時世で、はたして本当に必要かどうか‥‥」
16年3月に公用車のコスト問題について質問された安倍総理の答弁によれば、内閣官房や内閣府で所有する「安倍内閣」の公用車は247台。年間の予算は約3億3600万円で1日当たり100万円近くかかる計算になる。「ウソつき政権」のスタッフは国民に忖度して自転車通勤に切り替えてはどうか。
安倍総理の個人的なムダ遣いを指摘するのは、ジャーナリストの三宅勝久氏だ。12年8月に発売された「アベ礼賛本」を、政治資金で爆買いしていたというのだ。
「安倍総理が代表を務める政治団体『晋和会』と『自民党山口県第4選挙区支部』の政治資金収支報告書や付随する領収書を調べたら、幻冬舎から発売された『約束の日 安倍晋三試論』という本を12年から13年にかけて大量購入していました。書名が記された領収書だけでも4320冊、疑わしいものを含めれば6000冊にも及びます。当時は、大型書店の売り上げ1位をうたった記事や広告も目にしましたが、購入したのは総理自身。世の中を欺くマッチポンプです」
本の定価は1620円。6000冊で972万円である。「調査研究費」の名目で購入するには、さすがに異常と言わざるをえない。
実際に領収書を見ると、一括購入ではなく、都内の大型書店数店舗で複数日に分けて購入したのがわかる。また、出版元から直接購入したと思しき領収書もあった。
「政治団体は寄附や政治パーティーの収入が主な財源になっていますが、政党からカネを移すこともできる。本の購入費用をたどっていけば、団体に支給された政党交付金、つまり税金である可能性も指摘できます」(政治部記者)
三宅氏はさらなる違法性についても指摘する。
「大量の『アベ本』を有権者に配布した可能性も考えられます。これは、公職選挙法の『寄附の禁止』に抵触するおそれもあります」
もし本当ならば「総理も議員も辞める」どころか、司直介入の可能性すら出てくるが‥‥。
長期政権は腐敗する、とはよく言われるが、国会でジャブジャブと血税を浪費する一方で、自民党はガッポリと資金をためこんでいた。18年の自民党への政党交付金は174億円、前年からの繰越金は約125億円だった。岩渕教授が語る。
「政党交付金はもともと、企業献金を廃止する代わりに税金で補填するという国民への約束のもとで始まりました。でも、企業献金は一向になくならない。政権与党が焼け太りしているような状況です。官房機密費にしても額が大きすぎる。さまざまな政治資金の使途をキチンと情報公開して、国民が選良を選ぶ判断基準にできるよう求めます」
支持率も信頼もガタ落ちの安倍政権。今後も悪あがきを続けながら血税を食い潰していくのだろうか。