憲政史上初となる2887日超えの政権最長記録がメディアで取り沙汰される中、安倍晋三総理が「桜を見る会」をめぐるスキャンダルで窮地に立たされている。その驚くべき舞台裏を、11月26日発売の「アサヒ芸能」(12月5日号)が明かしている。
毎年4月、東京・新宿御苑で開催されるのが、総理主催の「桜を見る会」。今年の招待客のうち、実に1000人程度が安倍総理の地元後援会関係者だったことが発覚した。しかも「桜を見る会」前日にホテルニューオータニ東京で開かれた地元後援会関係者らの前夜祭の参加費用が、1人5000円という破格の安さだったことも発覚。公職選挙法違反や政治資金規正法違反、贈収賄の可能性を指摘する法律専門家がいる一方で、「税金の私物化だ!」と野党の猛批判を食らい、安倍総理は防戦一方の様相である。
実はここに、安倍総理と菅義偉官房長官による権力抗争劇、潰し合いが潜んでいたのだ。官邸関係者が声を潜めてこう話す。
「今回の『桜スキャンダル』は共産党議員の参院予算委員会での指摘により、瞬く間に深刻化しました。国会質問では通常、事前に野党から内閣府に問い合わせがあり、官房長官が情報を差し引きしながら総理にその照会内容を伝えます。どんな質問かが、あらかじめ総理の耳に入るわけです。その際、官房長官はどこまで追及されてもいいかを考え、内閣府に指図する。『この書類はシュレッダーにかけたことにする』というふうに。今回のスキャンダルでは、安倍総理が窮地に陥ることを予測しつつ、野党の追及をある程度、放置している。攻撃を妨害せず、あえて見て見ぬフリ。つまりは菅官房長官による『安倍潰し』という謀略の一面も持っているんです」
安倍総理の自民党総裁任期は再来年の9月まで。異例の「総裁4選」の声も聞こえてくる中、事実上の派閥にあたる菅グループを着々と作り上げ、ポスト安倍への野心を秘かに燃やしているとされるのが菅官房長官なのである。
菅氏の側近議員が言う。
「『桜を見る会』の所管は内閣府。その内閣府をはじめ、事実上、各省庁の幹部人事権を掌握しているのが菅さんだ。今回の一件では安倍総理や昭恵夫人の招待枠の存在など、内閣府や官邸筋から情報がボロボロ出てきている」
安倍総理もそうした動きを察知、政権を二人三脚で運営してきた「パートナー」に疑心暗鬼になっているというのだが…。