中日の内部事情を知る球界関係者が話す。
「今年は新外国人のアルモンテ(28)が大成功していますが、中日の外国人獲得ルートは森監督が握っています。監督退任後も、球団は間違いなく外国人の編成を森監督に頼ることになる。ただ森監督の狙いは、そこにとどまらない。落合博満氏が退任して空き家となっている、GMの座を狙っているんです。強引に獲得を推し進めた松坂の成功で発言力もアップしています」
GMの座を狙うためには当然、退任後の監督人事にも影響力を持ちたい。
「森監督が次期監督に推すのは、小笠原道大2軍監督(44)です。とにかく生え抜きの中日OBに監督をやらせることだけは避けたい。“外様”の森監督の立場が危うくなりますからね。小笠原監督のあとに松坂を監督に据えれば、森監督はフロントとして長期政権を築くことができる」(名古屋のメディア関係者)
小笠原監督⇒松坂監督と、森監督が影響力を持つ外様監督が続けば“森院政”も存続することになる。
「今季の森監督は、昨年と同様の5位、または最下位にでも終わるようなら、今季限りで辞任する考えを固めているそうです。その後、“子飼い”の小笠原監督が2~3年やれば、松坂も40歳の大台に乗り、監督就任に相応の年齢にもなります」(球界関係者)
ただし、中日で監督人事権を握っているのは白井文吾オーナーである。松坂監督実現のためには、白井オーナーの了解を取り付けることが条件だが、白井オーナーは90歳を超えた高齢で、いつ退任してもおかしくない。そのため、水面下では2派に分かれて慌ただしい動きが見られるという。
「パイプの太い落合氏の入れ知恵とも言われていますが、白井オーナーは、立浪和義氏(48)、山本昌氏(52)ら中日の大物OBを監督にすることに大反対しています。逆に本社内には、中日OBを次こそ監督に抜擢したいという一派も存在している。そこで森監督の考えに同調する一派からは、オーナーが権限を持っているうちに、〈次は小笠原監督、その次は松坂監督〉というお墨付き、誓約書のようなものを作っておこうというプロジェクトが立ち上がっている」(球界関係者)
もちろん、松坂が監督になれば話題性十分、観客動員にも当分困らない。中日としては、せっかく手に入れた球界の宝を手放したくないだろう。松坂自身は、「僕は指導者に向かない」が口癖ではあるのだが、さらなる活躍が、中日の未来を左右しそうである。