清宮幸太郎が一軍昇格のチャンスをうかがっている。怪物もプロの洗礼を浴びて苦しんだが、日本ハム関係者によれば、交流戦明けの再昇格が検討されているそうだ。
「チームの中心選手になってもらいたいのはもちろんだが、球界を背負って立つスターに育てるという方針はまったく変わっていません」(日ハム関係者)
交流戦突入と同時に二軍降格を決めたのは、打撃不振だけではない。怪物もまだ幼かった。気苦労で体重が落ち始め、リフレッシュ休憩も兼ねての二軍調整だった。日ハムは「最低でも、一年目でレギュラー定着のメドを」と考えている。
「一般論として、プロ野球界でスターと呼ばれる選手はほとんどが1年目から試合に出ています」(ベテラン記者)
「スターは早熟」の定理もあり、その間は球団も応援していくつもりだ。日ハムには“サンプル”もある。ルーキーイヤーにオールスターゲーム出場を果たした斎藤佑樹だ。
奇しくも、清宮とルーキーイヤーの斎藤は「酷似する部分」が多い。2011年5月、斎藤は左脇腹の故障で6月下旬まで一軍登録を外れた。しかし、球宴には滑り込んでみせた。ファン投票、監督推薦で落ちたが、「最後の一枠」を指すプラスワンチャレンジで当確。その後のプロ生活はともかく、「話題の新人」を球宴に引き入れる傾向は今も残っている。清宮が一軍登録を抹消されたのは5月28日だが、先のチーム関係者の言う早期昇格は、スターの称号ともなる球宴出場も指しているのだろう。ゴジラ松井、イチローは新人での球宴出場は果たせなかった。この点において、清宮は同じ早実出身の斎藤センパイを踏襲するようだ。
(スポーツライター・飯山満)