プロ野球・セパ交流戦は東京ヤクルトが初の最高勝率チームに決まったが、全試合の終了を待たずにパ・リーグの9年連続勝ち越しとなった。そのパ・リーグが“奇妙な動き”も見せていた。
「ヤクルトには賞金500万円が贈られます。一方、勝ち越したパ・リーグには今秋のドラフト会議でのウエーバーの優先権が与えられ、順位に応じて1000万円から100万円の賞金が贈られます」(球界関係者)
パ・リーグの賞金の使い道だが、もちろん、各球団がポケットに入れる分もあるが、パ6球団が共同で立ち上げた「パシフィックリーグマーケティング株式会社」の運営資金にも充てられてきた。その共同会社が「台北国際観光博覧会(TTE)」への参加を取りやめたのだ。去年まで3年連続で参加していたのに、だ。
「台北国際観光博覧会とは、台湾で100カ国以上の国と地域の企業、自治体等が参加し、特産物や新商品を紹介するイベントです。パ・リーグ6球団を紹介し、アジア圏のファンを増やしてきたんですが…」(前出・球界関係者)
不参加の理由はナゾだ。しかし、「台湾などでの宣伝活動は終わった」と話す関係者もおり、実は「次のステージに進む」のではないかという説があるのだ。
「パは水面下で、台湾、韓国を加えたオフの短期間リーグ戦を模索しているとも聞いています。日本からは育成目的で中堅以下を派遣することになりそうですが…」(前出・球界関係者)
その通りに進めば、アジア圏の新リーグ構想とも言えなくはない。セ・リーグは交流戦をやめたい一心だが、パ側は「リーグの枠を越える試合は盛り上がる」と、ビジネスライクに捉えている。セにその気がないのなら、パはアジアに新パートナーを求めたのかもしれない。セ6球団は奮起しないと、このアジア構想から完全に切りはずされてしまうだろう。
(スポーツライター・飯山満)