夏競馬は舞台を札幌、新潟、小倉に移して2週目を迎える。猛暑の中、熱戦が続いているが、新潟のメインはレパードS。3歳馬によるダートのGIII戦だ。
まだ10回目と歴史は浅く、GI戦に直結する重賞でもないが、直線の長い新潟のダート戦。なかなか見応えのある、おもしろい一戦だ。
紛れは少なく、これまでの9回、馬単で万馬券になったのは昨年の1回のみ。この間、1番人気馬は5勝(2着1回)、2番人気馬は3勝(2着1回)。1、2番人気馬がそろって連対を外したのは昨年のみで、順当に収まる本命党向きのレースと言っていいか。
ただ今回は、素質馬の顔ぶれがそろっており、フルゲートが予想される。なかなか難解で、一筋縄では収まらないのではないか。1番人気馬が3着に敗れた昨年同様、今年もひと波乱あるかもしれない。穴党としては、そう願いたい。
そこで、最も狙ってみたいのは、バクハツだ。
川崎での交流条件戦(中央500万条件出走可)を勝ち上がったばかり。しかし、能力はかなり高いと評価したい。
その前走だが、先行馬ペースの中、逃げ粘るかに見えた2着馬に、最後方に近い位置から一気の追い込みで並びかけるや、ゴールでは2馬身半の差をつけての完勝だった。
4カ月半の休養後は【1】【8】【1】着と、ここにきて急激に力をつけてきたが、放牧で成長を促したのが、もののみごとに奏功したと言っていいだろう。
「ひ弱さがすっかり影を潜めたようだね。たくましくなったが、これからまだまだよくなる馬。楽しみだよ」
と、小崎調教師をはじめ、厩舎関係者が口をそろえるところ。
この中間も順調そのもので、稽古の動きのよさも目立っている。ならば、一気に相手が強化されるここでも好勝負になっていい。
東京大賞典をはじめ交流GI6勝の父に、北米チャンピオン種牡馬が母の父。そして、近親にダートで活躍したシビルウォーがいて、一族にフォレストフラワー(愛1000ギニー)など、活躍馬が多くいる良血。秘めた能力は推して知るべし。大きく狙ってみたい。
逆転候補にあげたいのは、ドンフォルティスだ。
大井での前走、ジャパンダートダービーは6着に敗れたが、力負けでは決してない。ひと息入ったあとの一戦で、体重が減って落ち着きを欠いていた。それでも勝ち馬とは3馬身半差。巻き返しは十分可能だ。
この中間は馬体が増えていい雰囲気にある。こちらはジャパンC3着のエルナンド(仏ダービー、リュパン賞)が近親にいて、一本筋が通った血統。チャンスがあっていい。
小倉記念は、ハンデ戦であり、荒れる傾向にある。馬単導入後の過去16年で1番人気馬は2勝、2番人気は1勝。今年も簡単には決まりがたいのではないか。
混戦だが、狙ってみたいのは、ストーンウェアだ。
4カ月の休養後の前2走は【3】【2】着ときているが、前走メイSは54キロのハンデ。であれば、今回も同じ54キロか、0.5キロ増の54.5キロであるはず。ならば使われて3戦目の今回、大いに期待していいのではないか。
この中間の状態はさらに良化しており、1週前の追い切りも実に軽快だった。コンビを組むのは、前2走に引き続いて蛯名騎手。勝てばJRA全10場で重賞制覇の偉業達成となる。ヤル気のほどは推して知るべしだ。
ベガ(桜花賞、オークス)や、シャダイソフィア(桜花賞)が一族にいる良血で、器用に立ち回り、レースセンスが光る馬。小回りの小倉は初めてになるが、向いていると見るべきで、ここは狙い撃ちといきたい。