いらぬ火の粉が飛んだのは、ボランティア募集CMに起用された女優の広瀬すず(20)。
「みなさん、青春のど真ん中にオリンピック・パラリンピックがやってきます。さぁ世界をもてなそう」
とネットCM動画で呼びかけたことで、バッシングの標的になった。
「ボランティアは無報酬なのに、東京都はCM動画の制作に約4000万円の税金を投入しています。『高すぎる』とか『奴隷募集CM』など批判の声がネット上に書き込まれ、あげくには『広瀬もギャラを無料にすべき』と難クセまでつけられています」(スポーツライター)
ボランティアにはタダ働きを押しつける一方で、入手した資料によると、組織委の役員報酬は年間2400万円。加えて労働環境もうらやましいかぎりだ。事務所を構える東京都港区の高層ビル「虎ノ門ヒルズ」の15年度の賃貸料は約4億7600万円。その翌年度は新たに事務所を増やしたため、家賃の総額は7億円超に上るという。
「組織委は政府庁舎に近い立地条件や、海外要人が来日した時の安全を考慮して選んだそうです。五輪開催が近くなれば競技団体などからの出向者が増えると見られ、事務所の数も増えて、賃貸料はさらに上乗せされる可能性があります」(スポーツライター)
さらに極め付きは「五輪関連経費」だろう。今年1月下旬、東京都はバリアフリー化やボランティア育成など、新たに約8100億円を計上し、都の支出が計約1兆4100億円に上ることが判明している。
組織委は、スポンサー契約料やチケット収入などで集められる資金は約4500億円と見込んでいるが、その赤字分は「負債」となって都民に重くのしかかり、都民が払えなければ、国民の血税が投入されることになる。16年の都知事選に立候補した時、小池百合子知事(66)はテレビの取材で五輪予算について聞かれると、
「個人の資産もご協力をお願いする」
と仰天の発言をしていた。ならばまずは自分の資産を投入して、手本を示してほしいものだが、その小池氏はダンマリを決め込んだまま。政治ジャーナリストの山村明義氏はこう話す。
「都知事選では膨張する五輪予算を『1兆、2兆、3兆と、お豆腐屋さんじゃない』と威勢よく批判していたのに、今はお金の話をしなくなりました。改革のためといろいろと先送りにしてきた責任が自分に返ってきて、何も言えなくなってしまったのです」
小池氏の無為無策で、東京五輪の赤字はさらに膨らみそうだ。