テニスの四大大会、全米オープンで、日本選手では男女を通じ初めてシングルス優勝を果たしたプロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手。9月13日に帰国し、報道は彼女一色という勢いとなったが、優勝直後から、テレビ各局はその快挙を大きく取り上げ、現地で撮影する形で、大坂選手の単独インタビューを報じていた。
その中で、大坂選手はNHKの夜のニュースにも出演。現地では優勝の翌朝となる時間で、大坂選手は眠そうな顔をしながら、普段はまとめている髪をおろし、エレガントな雰囲気で登場。しかし、どこか表情がすぐれない。
「普段はにこやかで天然ぶりがかわいい大坂選手ですが、この時は笑顔がほとんど見られなかったのです。前夜はまだ優勝の喜びを実感できないと話していた大坂選手ですから、ひと晩経って弾けるような喜びのコメントを聞けるのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。後に続いた民放各局が行ったインタビューと比較してわかったのですが、NHKはなぜか日本語でのインタビューだったんです。一応、通訳は同席しており、質問の意味がわからなかった時に尋ねるシーンもありましたが、基本的に日本語でのやり取りでした。大坂選手の日本語が上達しているのはわかりますが、何を聞かれているのか、どう答えるのかを意識していて、笑顔も出なかったのではないでしょうか。その後の他局は通訳をつけたり、英語で回答させたりして、NHKの時よりリラックスしていたように見えました」(スポーツライター)
例えば、元テニスプレイヤーで松岡修造の薫陶を受けたTBSの石井大裕アナによるインタビューは、日本語での質問にも短い文章で、間に入るキーワードとなる言葉をはっきり発音。大坂選手の日本語理解のストレスを軽減しようとしていることがよくわかった。
各局の大坂選手への注目度、称賛の度合いが、実はこういった対応の違いに表れていたのかもしれない。
(伊藤その子)