腸活ブームは女性だけのものじゃない。最新ダイエット法として「デブ菌」「ヤセ菌」が注目を浴びる中、世の男性にとっても腸活は福音をもたらすという。簡単レシピを実践すれば、糖尿病治療やガン予防の効果も実感できること請け合いなのだ。
「腸活」がブームだ。腸が喜ぶ食品を摂取すれば「デブ菌」が減り、「ヤセ菌」が増えることで体重減少効果が期待できると話題のダイエット法なのだ。しかも女性の間で人気となっている理由はそれだけではない。便秘解消や美肌に加え、アンチエイジングにも成果が出るということから脚光を浴びているのだ。
だがちょっと待ってほしい。実はこの「腸活」こそ、ものぐさメタボの不摂生男性が取り組むべき健康法なのである。
10月11日より全国で順次発売される「決定版『デブ菌』が消えて『ヤセ菌』が増える腸活×菌活レシピ100」(徳間書店刊。以下「腸活×菌活レシピ100」)の著者の一人でもある、健康管理士の田和璃佳氏が語る。
「『腸活』はもちろん女性にとって有意義なのは言うまでもありませんが、男性にとっても免疫力がアップしますし、糖尿病の治療や大腸ガンの予防にも効果が期待されています。健康が気になる中高年の方は、気軽に生活に取り入れることができると思います」
そもそも「腸活」とは、腸内に100兆個あると言われる腸内細菌のうち、善玉菌に食事を通じて働きかけることで、ダイエットはもとより、病気も治れば、免疫力アップにもつながるという健康法。現在は女性を中心にダイエットの面ばかりが強調されているが、新たな健康法として注目されているという。田和氏が続ける。
「腸内には善玉菌と悪玉菌のほかに、7割を占めている日和見菌と呼ばれる菌が棲んでいます。実は、この日和見菌の中に『デブ菌』と呼ばれるフィルミクテス門と『ヤセ菌』と呼ばれるパクテロイデス門があり、このどちらの菌が腸内で優勢になるかで、痩せやすい体質にも太りやすい体質にもなることがわかってきました。つまり腸内環境で『ヤセ菌』を増やせば、痩せやすい体質になることはもちろん、さまざまな健康面でのメリットがあることがわかっています」
この「デブ菌」と「ヤセ菌」の名付け親であり、「腸活×菌活レシピ100」の監修も務める東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎氏は、持病だった糖尿病を「腸活」により2カ月で完治させたばかりか、10キロのダイエットを成功させたあとも、現在までずっと体重をキープし続けているという。
腸活についての研究は日進月歩で進んでおり、老化を促すことにつながる活性酸素の産生を抑制したり、アレルギーやうつといった現代病にも効果があるなど、さまざまな症状の改善にも一役買っていることが判明しているのだ。「腸活」といっても、身構えることはない。日和見菌に働きかける腸活レシピを積極的に食事に取り入れることで、早ければわずか2週間もあれば効果を実感できるという。レシピ作成を担当した健康料理家の川上晶也氏が語る。
「これまで糖質制限や美肌関連の本も書いていますが、基本は腸活にある、ということは私も常々触れています。中でも藤田先生が推奨されている『酢キャベツ』や『たまねぎヨーグルト』は、料理が苦手な方や面倒くさがりの方でも、基本レシピとして腸活には最適ですね」