株式会社ユーキャンがスポンサーを務める「ユーキャン新語・流行語大賞」2018年度版の30個の候補語が11月7日に発表され、「eスポーツ」や「(大迫)半端ないって」など、今年を彩ったトレンドワードがズラリと並んでいる。
スポーツ面での日本勢による躍進が目立った2018年ということもあり、女子テニスの大坂なおみ選手の独特な語り口調を表した「なおみ節」や、冬季五輪での女子カーリングチームによるかけ声と休憩中の栄養補給である「そだねー」と「もぐもぐタイム」など、奮闘にエールを送るお茶の間を思わず和ませた象徴的なシーンを思い起こさせる言葉が選ばれた一方、ネット上からは“賞レースにふさわしくない”との指摘を受けてしまう候補語もあった。
「年末恒例の言葉の祭典であるこのイベントは各年の世相を流行りのワードから振り返るというお祭り的な色合いが強く、これまで年間大賞に選ばれてきた言葉もお笑いタレントによる1発ギャグの決め台詞や、既存の言葉をユーモラスにアレンジした新語などが主でした。しかし、ノミネートの段階では不謹慎にも思えるワードや、被害者や犠牲者の存在する事件を表すような言葉が選ばれることも多く、今回の候補語の中にも『悪質タックル』や『あおり運転』が含まれています。それらは日大アメリカンフットボール部での反則行為と、路上でのドライバー同士による揉め事から死亡事故にまで発展した煽り行為を示す言葉だとして、ネット上にも『被害者や遺族の方にしてみたら聞きたくもない言葉なのに』『流行語にしてはならんだろって言葉まで選ばれるのが意味わからない』『あおり運転をノミネートする神経がわかりません』との非難も寄せられています」(エンタメ誌ライター)
単純に世間で最も頻繁に使用された言葉や、テレビやネット上で多く散見されたワードという基準でそれらがノミネートされたのだろうが、犠牲者も存在する事故を彷彿とさせる言葉を「もぐもぐタイム」や「TikTok」「ひょっこりはん」らと同列に並べることに違和感をおぼえる反応が上がるのも無理はないのかもしれない。
さすがに「あおり運転」や「悪質タックル」が今年度の年間大賞に選ばれる可能性は低いだろうが、誰もが笑顔で結果を心待ちにできるようなノミネートであってほしかったというのが多くの世間の声だったようだ。
(木村慎吾)