第19回チャンピオンズCが今週のメインだ。07年までの8回は東京が舞台(2000メートル)。そして08年から13年まで阪神(1800メートル)に場所を移し、「ジャパンCダート」として行われていたが、14年から今の中京に舞台を移すとともに、このレース名に変更となった。
舞台を右回りから左回りに戻したのは、言うまでもなくダートの本場で、ほぼ全てが左回りの北米を意識してのもの。国際競走である以上、アメリカ、カナダから遠征して来てもらいたいからだ。
しかし、今年の外国馬はパヴェルのみ。実績から判断すれば、地の利もある日本勢に分があると見るべきだろう。
ともかく、顔ぶれはなかなかだ。昨年度の最優秀ダート馬ゴールドドリーム、そのゴールドドリームを前走の南部杯で破ったルヴァンスレーヴ、JBCクラシックの1、2着馬ケイティブレイブ、オメガパフューム、武蔵野Sを制して満を持すサンライズノヴァら、役者ぞろいで見応え満点のレースと言っていい。
では、舞台が3度替わったこのGI戦を振り返ってみよう。
02年に馬単が導入されて以降、これまでの16年間、その馬単で万馬券になったのは5回(馬連3回)。この間、1番人気馬は5勝(2着5回)、2番人気馬はわずか1勝(2着0回)。過去18回で見ても1、2番人気のワンツーは皆無だ。大きく荒れることは少ないものの、簡単には収まりにくい「中穴傾向」のGI戦と言っていいか。
過去、3歳で優勝したのはクロフネ、カネヒキリ、アロンダイトの3頭。その後も活躍した大物ばかりだが、06年以降、3歳の勝ち馬は出ていない。今年は3歳馬が3頭出走するが、中でもオメガパフューム、ルヴァンスレーヴは、これからさらに力をつけていきそうなだけに、チャンスは十分と見ていいだろう。
当欄もこの2頭には大いに注目しているが、斤量的には決して3歳馬有利とは言えない。サラブレッドとしてピークを迎える時期ということもあるが、4歳以上が57キロなのに対して、3歳馬は56キロ(いずれも牝馬は2キロ減)なのである。
そうした面も影響しているのか、このGI戦は5歳馬の活躍が目立っている。その5歳馬は、ケイティブレイブとゴールドドリームで、これまた勝機たっぷりだが、穴党として最も注目したいのは、ピークを過ぎたと見られる6歳馬。狙いはズバリ、センチュリオンである。
この秋3戦目になるが、前2走の結果から評価はきわめて低い。しかし、軽く見てはいけない。以前は体質的な弱さもあり、休み休み大事に使われてきたのだが、それが幸いしてか、年齢的な衰えは感じられない。田村調教師も「オクテなのか、まだ上がり目は十分」と、期待感を抱く。
実際、使われつつ良化するタイプで、この中間、大幅な良化ぶりを見せている。
「前2走とはまるで違う。気合いが乗って、走る気になっている」
と、田村調教師は状態に関しても太鼓判を押す。
なるほど、1週前の追い切りはダイナミックで、言うことなしである。
近親、一族にこれといった活躍馬は少ないが、キングカメハメハ×ホワイトマズル×サンデーサイレンス×ノーザンテーストという血の配合は魅力たっぷりで、破壊力を感じさせる。
中京は1回走ってアタマ差の2着だったが、この時は休み明け。末脚確かな馬で、直線の長い中京は間違いなく合っている。
勝ち鞍の8勝全てがこの1800メートルであげたもの。晴雨にかかわらず“一発”があって不思議ない。