続いて、「スポーツ部門」は、最大の13ワードがノミネートされた。ピョンチャン五輪、サッカーW杯などビッグイベントが重なったが、裏流行語としては、やはり女子レスリング強化本部長・栄和人氏(58)が伊調馨(34)へ投げかけた「俺の前でよくレスリングができるな」や、日大アメフト部・内田正人監督(63)が選手に反則タックルを指示した「やらなきゃ意味ないよ」など、ドス黒い言葉が出そろった。
アメフトの悪質タックル問題には、デーブ氏もさすがにマユをひそめる。
「アメフトがプロレスを超えた日だったね。アメリカでも強盗とか、DVとか、拳銃事件とか、いっぱい選手の不祥事はあるけど、緑のフィールドの上では誰もやらないよ。そもそも日本ではアメフトにプロリーグがないから、せいぜい卒業後の就職先のコネになるくらいでしょ。そんなに一生懸命やらなくていいと思うけどね」
一方、日本のお家芸・体操界からは、協会女子強化本部長・塚原千恵子氏(71)の「体操界の女帝」がエントリー。アマチュアスポーツ担当記者が打ち明ける。
「レスリングでは、長らく協会を支配してきた日体大と新興勢力の至学館という学閥の問題がありましたが、体操協会でも水面下では、指導者同士の代理戦争が渦巻いている。パワハラ被害を訴えた宮川紗江(19)を往復ビンタするなどして、協会から無期限の登録抹消処分を受けた速見佑斗コーチ(35)が謝罪文を発表した際、『千恵子先生しか考えられない』と協会から冷や飯を食わされている池谷幸雄氏(48)が涙したのはその氷山の一角です」
全てのウミを出し切って、東京五輪に臨んでもらいたいところだが‥‥。
「友近が演じる演歌歌手・水谷千重子先生は『パワハラはしていないわよ』と、さっそくネタにしています。あとは年齢を重ねた女性のジャージ姿もなかなかキツイものがありますね」(山田氏)
一方、デーブ氏は、今年のスポーツ界の風潮に対して不満げに口を開いた。
「オリンピック前だからアスリートが注目されるのはしょうがないけど、みんなコメントが無難でおもしろくないですよ。陸上選手が『自分らしい走り方をします』って言うけど、自分らしくない走り方ってカンガルーみたいに走るってことですか? サッカー選手が『得点取りに来ました』って当たり前だよね。その点、大坂なおみ(21)の『勝ってごめんなさい』は新鮮で自然体ですよ。唯一もったいないと思うのは、なおみじゃなくてミナミだったらもっと人気出た。名字も大阪にして『大阪ミナミ』なら完璧ですよ。大阪万博も決まったから今からでも遅くないと思うけどね」
相撲界では年間通して話題独占中の元貴乃花親方(46)がセクハラ行司を押し出した。
「日馬富士騒動から1年、本当にお騒がせでした。『一兵卒として出直す』もありましたが、『卒婚』での『円満で離婚する人はいない』という発言もどこまでも正直で、不器用すぎる人だから行く末が心配です」(山田氏)
わずか1年で本物の一兵卒になるとは誰も予想しなかったはずだ。立場を追われたのは、前日本ボクシング連盟会長・山根明氏(79)も同様で、
「『歴史に生まれた歴史の男』『12時過ぎても“おはようございます”でございます』と、いくつも迷言がありました。すっぱり退陣したのも、日大の田中英寿理事長より正直で潔い。『おもてなしリスト』のカンロ飴なども、庶民的で愛すべきキャラだと思います」(山田氏)
掟氏ももろ手を挙げて同調する。
「あのヤクザそのもののルックス、明らかに利権で商売している人の顔。流行語は『奈良判定』ではなく、『男・山根』で取るべきという自己評価の甘さも、ある意味でスゴイ。現代のコンプライアンスでは完全にアウトのはずが、まだ残っていた。ルバング島から帰って来た小野田さんのようです。『歴史に生まれた歴史の男』Tシャツがあるなら欲しい」
「スポーツ部門」は山根明氏で文句なしである。