年の瀬が迫り、そろそろ2018年度JRA賞の話題も出始めてきた。
「競走馬に関する表彰(10部門)について言えば、今のところ最優秀3歳牝馬&年度代表馬、最優秀短距離馬、最優秀ダートホース部門はまったく問題ない。それぞれ、アーモンドアイ、ファインニードル、ルヴァンスレーヴで決まりでしょう」
とは、競馬誌編集者。それを除く6部門に関しては今後のGIの結果次第となりそうだが、特に問題となりそうなのが、最優秀2歳牝馬の選出だ。
「グランアレグリアは、藤沢厩舎がCルメールの香港遠征もあって朝日杯FS(GI=12月16日)に回してきた。もしこの馬が同レースを勝利した場合、9日に阪神ジュベナイルF(GI)を勝ったダノンファンタジーと同列で重賞2勝馬が2頭となり厄介。投票する記者さんも頭を悩ますことになるでしょう」(前出・競馬誌編集者)
最優秀2歳牡馬の方は、札幌2歳S、東京スポーツ杯2歳Sを制したニシノデイジーが頭一つ抜けた存在だが、同馬は朝日杯FSを使わずに12月28日のホープフルS(GI)の方に回る。ここでクラシック候補の呼び声高いサートゥルナーリア(2戦2勝)と戦うため、勝ったほうが最優秀2歳牡馬となりそうだ。
「中山グランドジャンプ(GI)の勝利を最後に、障害から平地に“転向”したオジュウチョウサンの扱いも気になるところ。中山大障害(GI=12月22日)の結果がどうあれ、この馬が最優秀障害馬にふさわしいとの声は多く聞こえますが…」(前出・競馬誌編集者)
いずれにせよ、2018年度の「JRA賞選出」は例年になくおもしろい。
(競馬ライター・兜志郎)