FAで巨人に移籍した丸佳浩外野手の人的補償として、広島が長野久義外野手の獲得を発表、球界に衝撃が走った。
「昨シーズン、開幕直前こそ不振で出遅れたものの、調子を取り戻し116試合に出場、打率.290、13本塁打、52打点の成績を残し、球団としては長嶋茂雄、原辰徳に継ぐ歴代3位の入団初年度から9年連続100安打も達成しました。この“主力”がプロテクト選手から除かれていたことに対する衝撃はあったかと思います。さらに、昨年末に西武からFAで獲得した炭谷銀仁朗捕手の人的補償に内海哲也投手を放出。2人のチーム生え抜き選手が持っていかれてしまったことに、ファンも頭を抱えていることでしょう」(スポーツライター)
ネット上にもファンからの「チームの主力なのに、プロテクトされたなかったなんて信じられない」「これはダメージ大きすぎる。内海の比じゃない」といった嘆きの声があふれた。
「長野も内海もFA権を保有しているので、1シーズンで宣言をする可能性もある。だからこそ、巨人サイドも広島が人的補償で取りにはこないだろうと高をくくっていたのかもしれません。また、今季から指揮を執る原監督のもと、チームの若返りを図りたいという事情から、期待の若手を優先的にプロテクトせざるを得なかったようです。以前、巨人は広島から大竹寛投手をFAで獲得した際に人的補償で持っていかれた一岡竜司投手が、広島で花を咲かせ、苦汁をなめさせられた過去もあります」(前出・スポーツライター)
しかし、巨人ファンにしてみれば納得のいく事情ではないようだ。オリックスを退団していた来シーズンには37歳になる中島宏之内野手、1学年上の元マリナーズ・岩隈久志をシーズンオフ中に獲得しているため「若返りと言いながら、中島・岩隈とオッサンばかり取ってくるじゃん」「これじゃ若手もやる気でないでしょ、長年貢献してもプロテクトしてもらえんし」と、行き当たりばったりの補強策、若手の士気低下を心配する声が数多く寄せられている。
「内海にしろ、長野にしろ他球団からのドラフト指名を拒否し、回り道までして巨人入団にこぎ着けた“ワケあり”選手。そんな“巨人愛”あふれる選手が持っていかれてしまうのは皮肉としか言いようがないですね」(前出・スポーツライター)
大砲として大きく育った岡本和真内野手ら生え抜きの若手選手たちが、自分の将来を心配して士気を下げる…というようなことがなければいいのだが。
(石見剣)