歌手の森昌子が年内で芸能活動から引退することを発表した。「花の中三トリオ」として、70年代に空前の大ブームを巻き起こしてから実に45年もの歳月が経過。すでにそろって60歳を迎えているのだ。昭和芸能史に燦然と輝いた“花の還暦トリオ”の収支決算は…。
「3度目(の引退)はございません。今日はすがすがしい気分でいっぱいです」
3月28日、所属するレコード会社で引退会見を行った森昌子(60)の表情は、まさに晴れ晴れとしたもの。悲しみにくれる言葉もなく、これまでの芸能生活を象徴しているようだった。
芸能デスクが解説する。
「13歳で芸能界への登竜門『スター誕生』(日本テレビ系)の初代グランドチャンピオンとなり、芸能界入り。その後86年に森進一と結婚したあとは20年間芸能界から退いたものの、05年の離婚をきっかけに、再び芸能界に復帰しました。その後も、子宮頸ガンを患い全摘手術を受けるなど、苦労も多かった。40年以上芸能界で身を粉にして働いてきただけに、還暦の節目に一区切りをつけたということです」
デビュー曲「せんせい」、「哀しみ本線日本海」、「越冬つばめ」など、多くのヒット曲を持つ森だけに、引退を明言せずとも、ゆっくりと活動を続けることもできたはず。それでも、
「わがままを許してください。芸能活動以外の時間を充実させたい」
と、芸能界からの完全撤退を宣言した理由とは何か。女性誌記者が語る。
「実はちょうどこの会見の前週から、還暦コンサートツアーが始まったばかりでした。舞台は森さんの独演会。みずからのヒット曲を歌うばかりでなく、最近のバラエティー番組での人気ぶりもあってセーラー服や、8歳の孫『まーちゃん』に扮した小学生ランドセル姿などのコスプレを披露するなどコミカルな一面ものぞかせた。さらには十八番とするモノマネ芸で美空ひばり、八代亜紀、山口百恵などの昭和歌謡を披露するフルコースぶりで、会場に詰めかけた往年のファンから喝采を受けていました」
この還暦コンサートは全国70カ所以上、計140回を超す大規模なツアーで、引退する12月までびっしりスケジュールが組まれているのだ。
「会見を開き、引退を宣言したことで、注目度が上がり、チケットがプレミア化するのは間違いない。もともと今回の全国ツアーで、森さんは“億”の収入が見込まれていたが、還暦ツアーが引退ツアーへと変わって追加公演も決まり、収入は倍ほどに膨れ上がるはず。引退後の生活には十分すぎる手土産となるでしょう」(女性誌記者)
70年代、黄金の歌謡曲時代に数々のヒット曲を手がけた音楽プロデューサーの酒井政利氏が森の第二の人生にエールを贈る。
「森昌子さんとは、1年ほど前に対談の仕事でご一緒しました。歌手としてヒット曲を放ち、復活してからも人気が再燃しました。また、お子さんも立派に成長し、本当に幸せそうでした。ここで人生を見つめ直すことは、とてもいいことなのではないでしょうか」
2度目の引退で、今度こそ普通のオバさんになれるのだろうか!?