夏の参院選に向けて与野党の候補者が次々と決まる中、躍進をもくろむ立憲民主党は、東大卒で元総理番のイケメン記者を擁立。が、早くも永田町界隈ではエリート候補にまつわる怪文書が出回っていた。その中身はウソかマコトか、真相を探ってみると──。
「総理官邸の『密室』の中で決められていく政策は、一方通行で不透明なものばかり。与党は忖度ばかり。頑張らなければいけないはずの野党は、失礼ながら非力でした。政治記者として目の前にいるのに、まるで政治が自分から遠いところで決められている。そんな危機感を感じ、居心地の悪さを感じてきました」
5月23日の記者会見で、参院選に立候補した理由を語るのは、元朝日新聞政治部記者の山岸一生氏(37)。その経歴は華々しく、都内の名門中高一貫校から東京大学法学部に進学し、04年に朝日新聞社に入社。高知、京都総局を経て東京本社の政治部に配属後、13年に那覇総局に赴任し、4年前から東京に戻っていた。
そんなエリート候補にまつわる怪文書が、5月中旬頃から出回っていた。入手したその中身は、山岸氏の「総理番」時代に起きたとされる“出来事”が書かれている。その一部を抜粋すると、
〈こともあろうか官邸の番記者がつめる番小屋でエッチをしていたのが、官邸の守衛にばれて当時は大問題になったそうです〉
という耳を疑うような内容なのだ。取材を進めると、数々の証言が得られた。ある政治部記者は当時、噂になった話としてこう明かす。
「民主党の菅直人政権下の話ですよね。総理官邸にある『番小屋』と呼ばれる総理担当の記者が待機する部屋で、深夜にライバル紙の女性記者と2人きりになった時、下半身だけ服を脱いで最後までしちゃったそうです。女性記者は山岸氏と同世代で、女優の広末涼子似のスレンダー美女。当時、山岸氏は結婚していて、女性記者は独身だった。その後、山岸氏は離婚して、その女性記者と再婚したそうです」
ちなみに「番小屋」は8畳から10畳ほどの広さで、新聞社や通信社、テレビ局の報道記者が出入りし、室内にはデスクとイス、ソファーが置かれていたという。
複数の記者から聞いた話は、怪文書の中身とほぼ合致していた。話が事実であれば、はからずも、山岸氏が決意表明の会見で述べた「官邸の密室」で起きた出来事ということになる。だが、なぜ密室での秘め事が外部に漏れるのか。実は、取材を進める中で証言が割れたのもこの部分だった。