若さ=美ではない。柔らかに熟れてこそ色香増す熟女優のカラダを、その方面に詳しい芸人のみなみかわ氏が熱く語る!
「胸がね、デカいんですよ!」
みなみかわ氏が鼻息荒く語るのは、「復讐するは我にあり」(79年、松竹)の倍賞美津子(72)。当時32歳。重力に耐えきれぬ重さのバストもあらわに、緒形拳演じる殺人逃亡犯の夫の留守を狙って、義父役の三國連太郎がつかる温泉に入る。
「三國さんがそのバストを後ろから、むんずとわしづかむ。揉まれるたびに苦悶の表情を浮かべつつ、でも、胸を揉むだけで終わってしまうという、あの最後まではシない瀬戸際感がいいですよね。背徳感や、温泉ゆえに増す艶っぽさがたまらない」
公開当時28歳ながら、「丑三つの村」(83年、富士映画)で熟女感あふれる人妻を演じた池波志乃(64)について は、さらに熱っぽく話す。
「彼女に夜這いを仕掛ける主人公の古尾谷雅人は、マシュマロボディにむしゃぶりついていましたよね。そりゃあ男なら誰でもそうなるでしょう! 一見だらしのない肉づきですが、にじみ出る上品さがあります。それに、実物は細いのでしょうけれど、画面だと艶気むんむんのグラマラスに見える。思い出して自分で慰さめるんちゃうか、というくらい理想的なカラダですね」
「魚影の群れ」(83年、松竹富士)で、40歳にして初の全脱ぎラブシーンに挑んだのは、十朱幸代(76)。漁師役の緒形拳を相手に、船の中で汗ばんだカラミを演じる。布団の中、吐息まじりにしゃべりながら4分半にもわたって突かれるさまは「本当に入っているのではないか?」と噂されたほど生々しい。
みなみかわ氏は、仰向けになってもツンと上向いた十朱の釣り鐘型の美バストについて、こう思いをはせた。
「画面に出た瞬間、ありがとうございますー!と叫びたいほどきれいなフォルムです。40代でこの美しさは、相当ケアしていた証拠。女性としての努力や慎ましさ、そして女優としてのプロ意識が、この胸に詰まっているんだなあ‥‥」
熟女好きならば誰もが惹かれるかたせ梨乃(62)には、みなみかわ氏のアンテナもビンビン。公開当時40歳の「身も心も」(97年、東京テアトル)では、柄本明のねちっこい中年の攻めを全身で受け入れ、くんずほぐれつ肉体を絡め合う。互いの大事な所に顔を埋めるシックスナインもあり、R指定されたほどのハードさだった。
「ふだんは強気な姉御肌なのに、ベッドでは男を受け入れてくれるいやらしいカラダ‥‥というギャップにグッときますね」
また、「全体的にふくよかな肉感が、若手女優にはない魅力」だと指摘する。
「迫力がある、映画館の大画面に耐えうる肉感です。ラブシーン映えするカラダですよね。交わりのシーンには、あの“肉”が必要なんですよ!」
最後に挙げるのは、「実は美貌・美ボディ・妖艶さ、三拍子そろっている」と絶賛する広田レオナ(56)である。「エンドレス・ワルツ」(95年、松竹)では作家の鈴木いづみ役を演じ、恋人役の町田康と三十路らしい経験豊富な行為を披露。さまざまな体位を生まれたままの姿でこなし、張りのあるみごとなバストを惜しみなく揺らす。
「個性的なキャラクターとして知られていて、『どうせ芸術的に脱いでいるんでしょう?』とイメージされがちですが、とんでもない! 全てそろった完璧なカラミですね」
美しさだけでは計れぬ魅力を秘めた、成熟した女性のカラダ。みなみかわ氏は、そんな熟女優たちのベッドシーンについて「映画には必要不可欠」と断言する。
「女性は、年齢を重ねるごとに欲が増しているのではないか‥‥という男の幻想を証明してくれるのが、あの熟れたカラダなんです。若さもいいですが、人生経験が年輪のように染みついた肉感がソソるんです」