3歳牝馬による秋の女王決定戦、秋華賞が今週のメインだ。
桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユーの名がなく、阪神JFを制して2歳女王の座に就いたダノンファンタジーが前哨戦のローズSをレコード勝ちしてみごとに復活。この馬が最有力候補とみられているが、期待された桜花賞が4着、オークスは5着に敗れている。それだけにレコード駆けの反動が懸念されるところで、またもや‥‥の不安は拭いきれない。
今回はオークス2着惜敗のカレンブーケドールなど有力候補とみられる馬が多く、また伏兵陣も多彩。下馬評どおりに決まりそうもないムードが漂っている。
02年に馬単が導入されて以降、これまでの17年間、その馬単での万馬券はわずか1回(馬連も1回)。この間、1番人気馬が5勝(2着3回)、2番人気馬は7勝(2着2回)。比較的堅い、本命サイドとみていいGI戦だが、今回の顔ぶれを眺めてみると、波乱の目も十分ありそうに思えてならない。
穴党の出番と武者震いしているが、それにしても目移りしてしまい、なんとも悩ましい。
混戦とニラんでイチオシしたいのは、フェアリーポルカである。
春最後の一戦となったオークスは16着と期待を大きく裏切ってくれたが、外枠の不利をはね返そうと前半無理をしたことがたたって、道中、何度か不利を被ったのが痛かった。途中で戦意喪失してしまった感もあり、それに使いづめで調子のピークを過ぎてもいたようだ。というわけで参考外にしていい。
もともと能力はかなりのものと評価している。外枠の馬が不利を被りやすい東京芝2000メートルで行われたフローラSは、18頭立ての最外枠ながら、勝ち馬とわずかコンマ1秒差の5着と大健闘。力が確かだからこその芸当だった。
よって、秋初戦となった前走の紫苑S2着(6番人気)の結果は驚くに値しない。オークス以来3カ月半ぶりの実戦ということで体重は16キロ増と、やや余裕残しの状態だったことを思うと、なおさらだ。
この中間は使われたことで大幅な良化ぶりを見せている。
「春に比べ成長して体が一回り大きくなっていた。追い出しのタイミングがもう少し早かったら勝っていた」と、西村調教師は前走を振り返ったうえで、「馬体に張りが出て、状態がすごくよくなっている。楽しみだね」と、目を細めるほど。であるなら、血統馬でもあり、好走必至とみていい。良馬場条件に大きく狙ってみたい。
大勢逆転ありとみているダークホースは、ローズテソーロだ。前走の紫苑Sは6着だったが、勝ち馬とコンマ6秒差だったことを思うと十分に争覇圏内。巻き返しがあっていい。
その前走はパドックで落ち着きを欠いていたが、恐らく休み明けの両津湾特別(1勝クラス)を勝ったあとの反動(2走ボケ)が出ていたのだろう。それでも見せ場を作ったのだから力は確かだ。
1週前の追い切りは併せた格下馬に遅れたが、追いかけてのもので動き自体は悪くなかった。
「体重は減っていないし、体調はアップしている」
とは厩舎スタッフの弁。
祖母オグリローマンは桜花賞馬で、あのオグリキャップ(有馬記念2度制覇などGI4勝)が近親にいる。強烈な末脚が武器で一発があっていい。