今の競馬は健全なレジャーであり、娯楽です。馬券にしても知的ゲームだと思ってます。競馬が社会秩序や風紀を乱すなんて、今の日本はもとより、世界を見てもそんな国はありませんよ。もちろん、建物が老朽化し、トイレも汚いなんていうところは論外です。しっかりと環境整備された競馬場で、その近辺の治安が悪化しているということはないんです。
健全な娯楽を提供し、投機性もあり、そのうえ“金の卵(国庫納付金)”を生む。内需拡大、景気浮揚策が論議される社会状況の中で、なぜ、水を差すようなことをするのか。昨年だって、せっかく人気を得ていた「WIN5」の売り上げが落ちたじゃないですか。これは裁判が影響したと思います。誰だって「当たっても、また税金でいっぱい取られるのか」となれば、買うことをためらうし、むなしさを覚えますよ。取り損ねた国庫納付金のことを(国は)よく考えてほしい。
岡田氏同様、裁判後の会見で中村和洋弁護士は個人的見解として「宝くじと同じように法律で非課税にしてもらいたい。それで売り上げが増えれば、国庫に入るお金も増える」と提案している。現在の日本競馬は、岡田氏ら生産者の努力もあり、07年から「パート1国」として世界の仲間入りを果たし、昨年「近代競馬150周年」を迎えた。
どのスポーツの世界を見ても、今は世界と戦えないと注目されませんよね。その点でも、今の日本競馬は世界でナンバーワンだと思います。強いスターホースが登場し、競馬場の環境も整備されています。あのエリザベス女王も日本競馬に興味を持っておられ、来日を希望しているという話も聞こえてきているんです。
それだけに馬券の払い戻しの課税に関しても、国際基準に沿って早急に進めてもらいたいです。どうしても官僚は、粛々と業務を実行する立場でしょうから、ここは政治家の役目だと思います。もし「国民の理解を得られたなら」なんて言うのであれば、署名活動でも何でもしますよ(笑)。
ここにきて、カジノ構想の機運が高まっていると耳にすると、なおさらですよね。カジノの儲けは、どんなふうに税金を徴収するのかわかりませんが、的中馬券については、1日も早く非課税になってくれないと困りますよ。
私は最近、テレビ番組に出演することが多くなっているんですが、そこで競馬って血統やデータ、馬体、レース展開を考えることで馬券を的中させる確率が上がることを解説しているんです。カジノの種目にも知的なゲームがありますが、多くは偶然性に期待するもの。そこが大きな相違点ですよね。
私は今後も、どんな美人と並んでも負けないサラブレッドのエレガントさをアピールしながら(笑)、馬券のおもしろさを皆さんに伝えていきたいですね。