バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」(TBS系)から生まれた新人アイドルグループの「豆柴の大群」が、鮮やかなロケットスタートを決めている。12月18日の放送で結成が発表され、翌19日にタワーレコード限定でデビュー曲の「りスタート」が発売されると、話題性の高さもあってバカ売れ。12月30日付のオリコン週間シングルランキングで1位をゲットし、非46/48系グループでは珍しい“デビューCDが1位”という記録を打ち立てた。
各メンバーのツイッターでは、25日の生放送で加入が決まったばかりのカエデも含めて、全員が10万人超のフォロワーをゲット。人気タレントの目安と言える10万という壁をわずか数日で突破している。そんな順調なデビューを飾った「豆柴の大群」に対して、その先行きを心配する声が少なくないというのだ。アイドル誌ライターが指摘する。
「25日の生放送で水ダウのアイドル企画は終了し、プロデュースもクロちゃんの手を離れました。これで“テレビの力”を失うことから、ネット上では《水ダウありきのグループだからもう誰も興味ないよね》とか、《クロちゃんいなかったら話題性ないだろw》といった批判が続出。そもそもクロちゃん解任の可能性が取りざたされた前週の時点から、《これでプロデューサーがいなくなったら“新選組リアン”の二の舞だ》との声も散見されていました」
その「新選組リアン」とは09年にバラエティ番組「人生が変わる1分間の深イイ話」(日本テレビ系)から生まれた男性アイドルユニット。司会の島田紳助氏がプロデュースを担当し、デビューCDはオリコン3位に入るなど順調な出だしを見せていた。彼らは4枚のシングルをすべてベストテン圏内に送り込み、ツアーでは全国のZeppを回っていたが、ある事件をきっかけにその活動が急速に縮小したのである。
「島田氏が11年8月、反社会的勢力との交際を理由に芸能界を引退。これでプロデューサーを失った新選組リアンは迷走し、翌年以降はCDリリースもなくなりました。その後も細々と活動をつづけたものの、14年にはフェードアウト。メンバーの中には芸能界を引退した者もおり、現在は榊原徹士が吉本坂46の一員として活動しているのが目立つ程度です」(前出・アイドル誌ライター)
そんな新選組リアンと同様に、水ダウとクロちゃんのバックアップを失った「豆柴の大群」も、早々にフェードアウトすると予想する者は少なくない。しかしそれは、現在のアイドル業界を知らないからこその戯言だというのだ。アイドル誌ライターが続ける。
「新選組リアンは小規模なお笑い系事務所の所属で、男性アイドルを売り出すノウハウがほぼなかったに等しく、テレビなしに活動を継続することはできませんでした。それに対して豆柴の大群は、『BiSH』や『GANG PARADE』といった人気アイドルグループを擁する事務所・WACKの所属。デビュー曲の編曲や振付、歌唱指導などもすべてWACKが責任をもって手掛けています。それゆえ今後は、すでに大きなファンベースを持つWACKの一員として活動でき、2~3月に全国7都市で開催される『WACK TOUR 2020』への出演も発表済み。今後の活動を考えればクロちゃんのプロデュースが続くより、WACK傘下のグループとして認知されるほうが得策でしょう」
新規加入のカエデは「やっとアイドルになれた」と喜びを噛みしめていた。そんな彼女のアイドル人生は、自分からギブアップしない限り、何年も続いていくことは間違いないだろう。
(金田麻有)