テリー それで佳美さんは、その上司と結婚して、三つ子を産んだわけですよね。なのに別れて、戻ってきたんだよね。
林下 戻ってきましたね。
テリー 図々しいよね。
林下 いや、図々しいっていう枠を超えて、俺は大したもんだと思います。
テリー だってさ、男できて8人捨てて、3人作って、3人連れてあんたのところに戻るって言ってきたの?
林下 ええ、そのとおりです。突然、「ただいま」って帰ってきました。
テリー その時に、残った8人の子供に、お母さんは新しい男ができて出て行っちゃったけど、その男との間に3人の子供を産んで、また戻ってくるよ、と。こんなふざけたことを言ってるんだけど、お前たち、お母さんを受け入れることができるのか、という話は?
林下 全然! 出て行く時点で子供らに、「母ちゃん、彼氏ができたらしいぞ」と。「その彼氏と暮らすために出て行くらしいぞ」っていう話をした時に、子供が「えっ、じゃあもう母ちゃんと会えなくなるの」って言うから、「そんなわけねえだろう。出て行ったって、母ちゃんは母ちゃんなんだから、遊びに行きたい時は遊びに行けばいい」って言ったら、子供らには親が親じゃなくなるなんて発想は全然なかった。捨てられたなんて意識もないから、帰ってきた時には喜んでましたね。
テリー 清志さんは何か言ったの? お前、どの面下げて戻ってきたんだと。
林下 いや、全然こっちのほうが上手なので‥‥。
テリー こっちっていうのは?
林下 別れた嫁のほうです。その時は番組やってましたので、番組スタッフが何人もいるところで、いわば他人ですよ。その前で「お前、このヤロー、俺と子供を置いて男作って出て行ったくせに、そういう口を聞きやがって」って言って、へこませようと思ったら一瞬シーンとしたんだけど‥‥。「あんたさ、いつまでそれにこだわるの? これからあんた、ずっとそれにこだわって生きていくの?」って言われて、何か俺のほうが小さい人間に思えて、ああ、それもそうだなって言って。
テリー ハハハ。
林下 三つ子を見ながら、「やっぱり女の子は父親に似るって言うけど、本当だな。あの男そっくりだな」ってイヤミを言ってみたわけです。そしたら、「えっ?」って言うから「どうした?」って聞いたら、「そうかそうか。この子ら、あんたの子供じゃなかったんだ。私、すっかりあの男のことを忘れて、あんたの子供だと思ってた」って。これ、本音で言ってるんですよ。もう全然上手なので。