とかくカジノには、“負のイメージ”が伴う。一般的には、3つのハードルとして、以下の3点があげられている。
1、青少年への影響
2、治安の悪化と闇社会の勢力拡大(及びマネーロンダリング)
3、ギャンブル依存症
こうしたデメリットがなかなか払拭できないのも大きな障壁となっている。ギャンブル推進議員の側近が話す。
「今、アジアの各国がカジノで成功しているなんて言えば、09年にお隣の台湾ではカジノ計画が住民投票で否決された話が取り上げられ、都市型カジノが注目されると、仏・パリの100キロ圏内にカジノはないとなる。依存症問題となれば、ラスベガスで大負けした大王製紙前会長・井川意高被告の巨額の使い込みが俎上に載せられる。日本人のギャンブル・アレルギーは根強い。そのため安倍総理はすでにカジノ導入の負の効果に対する施策、制度上の措置の検討を指示しています」
02年に都庁で開催された展望台疑似カジノのイベントに出演したタレントの松尾貴史氏が話す。
「あの時、ルーレット盤のそばで、石原さんは『ギャンブルは嫌いなんだよ。何もおもしろくない』と話してましたが、私もギャンブルは嫌いです。でも、健全にやれるならメリットのほうが大きいのではないかと思うので賛成です。3つのハードルにしても、問題ないと思います。日本人にやらせなければいい。外貨獲得と考えればいいのではないでしょうか。日本人が参加するならば、IDカードで遊び方を制限することも可能でしょう。治安面は公的な機関が仕切り、依存症対策費は収益金から充てる。もちろん外国人でも、未成年は禁止です」
前出の望月氏は、海洋ニッポンを念頭に、船上カジノからのスタートを推す。
「阪神大震災の時に考察したのですが、カジノ船を建造し、各地を回るというものです。ほぼデメリットを防げ、投資も抑えられます。私がお台場カジノ構想を掲げた時、さまざまな人が寄ってきた。肌でカジノ利権を感じました。莫大な利益を分配する方式でなく、国が税金で行う方法を政治家の方々には検討してほしいですね」
参議院選挙の結果しだいでは、「カジノ構想」が一気に加速する公算も高い。またもや、絵に描いた餅になるか、復興の起爆剤になるか。事態はまだまだ流動的のようだ。