テレビ各局でも公開収録番組を急遽スタジオ無観客収録に切り替えるなど、コロナ禍が猛威を振るっている。華やかなドラマの撮影の舞台裏でも、まさに戦々恐々の戒厳令が敷かれていた。真っ先に公開収録を中止にしたのは老舗番組の「笑点」(日本テレビ系)だ。
スポーツ紙芸能デスクが明かす。
「放送半世紀以上の歴史を誇る長寿番組ですが、基本的に観客を入れた公開収録を行っています。番組内やホームページで一般募集した1000人の客を集め、隔週土曜に後楽園ホールで収録されますが、観覧者どころか出演者にもお年寄り層が多いことも、判断を早めた要因になった」
この動きに呼応するように、NHKの「うたコン」と「のど自慢」もスタジオ収録へ。このほか、各局は新番組の宣伝などのイベントを中止するなどで急場をしのぐ構えだが、さらに悲惨なのがドラマの撮影現場だ。
「今年の春ドラマは東京五輪の直前ということで、各局が数字の稼げる強力ラインナップをそろえた。前作が42.2%の超高視聴率を取った堺雅人(46)主演の「半沢直樹」(TBS系)のほか、篠原涼子(46)の「ハケンの品格」(日テレ系)、木村拓哉(47)の「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)など、いずれも人気シリーズがゾロゾロ復活を果たします。だがコロナ余波で、ロケ先で大人数が集まるドラマ撮影を断られるケースが頻発。やむなくスタジオ収録に変更を余儀なくされています。また、群集シーンでは、エキストラたちにマスクを外させるわけにもいかず、やむなく規模を縮小して脚本を書き換えるなど苦悩している」(芸能デスク)
7年ぶりカムバックで注目される「半沢2」だが、100倍返しどころか、迫力半減になるやも。
しかも、スタジオ収録であっても予断を許さない状況だとドラマ制作スタッフが説明する。
「ドラマ撮影は香盤表という出演タレントの分単位の細かいスケジュールを組んだうえで撮影が行われています。そのため、スタッフは不眠不休で現場に出ることも珍しくない厳しい労働環境なんです。しかもスタジオ内は乾燥、密封、不特定多数が出入りするというウイルス蔓延要素がそろった劣悪な環境。スケジュール上、多少の熱ぐらいでは休めないのが日常で、実際に内部でインフルエンザが流行したこともありました」
ドラマ現場はウイルスの温床だというのだ。各局が戦々恐々とする中、最も危険視されているのが日本テレビだ。
「JR新橋駅汐留地区には共同通信のメディアタワー、日本テレビ社屋、電通本社ビルが並び建っている。2月18日に共同通信のハイヤー運転手が陽性であることが発表されると、週明け月曜日には電通でもコロナ患者が発覚し、5000人が在宅勤務となった。寒風吹きすさぶ高層ビルの下からは人気が消え、『日本の武漢だ』と揶揄されています。実は、日本テレビ内でも感染を疑われる社員が自宅待機しており、局内は厳戒態勢が敷かれた状態です。局内スタジオでは『咳厳禁』の厳命が下っているくらい」(デスク)