他ドラマの視聴率が軒並み10%前後と“連鎖倒産”する中、TBS系ドラマ「半沢直樹」だけは資産運用バッチリ。すでに30%超えも計上した。「やられたらやり返す、倍返しだ!」「自分のしたことを一生悔やんで生きろ!」「お前の破産記念日だ!」と、痛快セリフもポンポン飛び出す下克上ドラマの「裏ネタ」総決算!
会社内外の敵に真っ向勝負を挑み、中高年男性視聴者から「スカッとする!」と、圧倒的支持を得ているこのドラマ。細部まで丁寧に作り込まれていることも人気を下支えしているが、そこから掘り出した「トリビア」を大放出する!
ドラマに大きな臨場感を与えているのは、堺雅人(39)が演じる主人公・半沢直樹が、資料の数字に目を落とし、すばやく対処する所作。まるで本物の銀行マンのようだと評判だが、実は、堺は学生時代から数学が大の苦手だという。
「高校時代は、経産官僚を目指して国立大を目指したそうですが、数学でつまずいた。国立大を受験した時も数学の答案に『さっぱり解けない』ことを短歌にして書いて提出したほど。結局、数学が試験科目にない早稲田大学第一文学部に進学。そこで高校時代から好きだった演劇の道に進もうと、故・森繁久彌、今村昌平監督らを輩出した名門“演劇研究会”に入ったのです」(芸能ライター)
半沢役のオファーがあった時も、数学嫌いのトラウマが脳裏をかすめたようで、
「堺さんは『数字がたくさん出てくるセリフがあったらどうしよう』と悩んだそうです。しかし、原作を読み、それほど数字が出てこないことに安堵。逆に『数字の裏側には血の通った人々の営みがある』と意気込んだそうです」(TBS関係者)
息詰まる頭脳ゲームとともに、ドラマでは、子供たちの間で「半沢走り」としてはやっているというカバンを持っての疾走や、裏金を差し押さえられ暴れだした西大阪スチールの東田社長(宇梶剛士)を観念させた剣道の達人ぶりなど、半沢のアクションも話題だ。が、演じる堺は、運動が苦手だったとか。
演劇研究会から生まれた劇団“東京オレンジ”に入った大学時代を振り返り、
「劇団内で走ったり腹筋したりトレーニングをして体を鍛えていたら、ある時ふいに逆上がりができて一人で喜びましたよ」
と、月刊誌のインタビューで明かしていたのだ。
また、主役級はもちろん、半沢たちに敵対心を剥き出しにする脇役陣の活躍が光るのもこのドラマの特徴だが、その一人が、半沢が勤める東京中央銀行の京橋支店・融資課長代理“古里”を怪演した手塚とおる(51)。ドラマでは半沢の気弱な同期・近藤をネチネチいびったものの、半沢に不正の証拠をつかまれたとたん、腰砕けになる情けない役柄だが、過去には、堺が、手塚主演の舞台に脇役で出演したことがあったのだ。
手塚は、83年、蜷川幸雄氏の舞台でデビューして以来、複数の有名劇団を経験した個性派実力俳優だが、95年に手塚が主演を務めた舞台「本牧マクベス」に、堺は早大の演劇研究会の先輩女優から誘われチョイ役で出演。自身のエッセイで、〈初めてギャラをもらった仕事〉で、その時の手塚を〈舞台上でもすごい迫力で、十歳年下の僕はずっと圧倒されていた。いまでも尊敬している先輩〉と明かしている。
「今回のドラマで再会した2人ですが、現場では手塚さんが『すっかり逆の立場だね』と話すと、堺さんは『いえいえ、何をおっしゃいますか』と恐縮し、『いつかまた小さい小屋で舞台もやりたいね』と、意気投合していました」(前出・TBS関係者)
◆アサヒ芸能9/10発売(9/19号)より